石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】その115
「日本人は余裕がないなあ。
歩くのが早いし、ちゃんと並ばない人がいるとカリカリしちゃってさあ。
もっと気楽になれないのかねえ。
セコセコシしちゃってやだねー。
テキトーってのもいいんじゃない。」
「ばかじゃないの、最近東南アジアばっかり行っているからって染まってどうするのよ。
日本人はキチンとして優秀だから、他の国より豊かなんでしょ。
それを見習ってチカラつけてきた国もあるじゃない。
そんな考えのあなた、国籍変えて欲しいわ。残念・・・。」
「オレ、歩くの早いって言われるよ。」
「・・・。」
歩くのが早いのが優秀かどうかはわかりませんが、時間を守るために急ぐ、スケジュールをきっちりこなす、分量を守る、順序を守る、ルールを無視しない、人に迷惑をかけない、人の情けに甘えすぎない、自分に厳しいなどなど、優秀と言われる行動を行う日本人はたくさんいるような気がします。
そんな中、優秀な社長のお手本のような「餃子の王将」大東社長が撃たれてしまったのは残念な限りです。
優秀で人柄が良くても・・・。
『経営者は知らないうちに逆恨みを買う事もある』
良かれと思ってしてあげたことが、余計なお世話と言われるのは経営者でなくとも一般的にあることです。
世話をしなければ、面倒見が悪いと言われる。
石田も相談されたことに真剣に答えたら、
「そこまで、言われるとは思わなかった。
それじゃまるで私が悪い気がしてきた。
私は聞いてもらいたいだけだったのに」と言われ、(そんなもん、だったら犬にでもしゃべってろ~!)と心で叫んで謝りました。
きつい仕事を与えた部下が心配で頻繁に状況を訪ねた時には、
「私がそんなに信用できないんですか」と切れられ、
コイツは大丈夫、任せようと決めて口出ししなかったら
「僕は嫌われてるんですか?
ほったらかしにされているような気がします」と泣きを入れられました。
社員を抱える経営者は、逆恨みだけに留まらず、限りのない給料への不満、休日の不満、仕事の内容への不満、ポジションへの不満、昇進の不満などを同時に抱えているのです。
社員すべてを満足させられることはあり得ませんから、必要以上に悩むことはありませんが、できるだけコミュニケーションをとって社員の心の声を聴くことはやる方がいいでしょうね。
ただ、義務を果たすことは棚上げして権利だけを主張するような輩はそのコミュニケーションを勘違いして甘えてきたりしますから質が悪い。
経営者と従業員は「付かず離れず」の呼吸で付き合うのが一番ですね。
まあ、人付き合いの達人を目指すのも社長の仕事かもしれません。
ヤレヤレ。
ではまた。