石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】その177

「今日、吉川大臣と会ったよ。」

「誰それ?」

「誰って、農水省の吉川貴盛大臣だよ。」

「フーン、だから何?政治は何やってるんだか、何か文句言ってくれたの?」

「文句なんか言えるわけないでしょ、大臣もいろいろ問題抱えて大変なんだから」。

「あら、そういうことがしたいから政治家になったんでしょ。

政府は景気がいいなんて嘘ついて。

景気良くして問題も早く解決するように言ったら、そしたらあなた偉いわ。」

「・・・」(そりゃ、そうだけど)。

問題山積で愚痴がこぼれる社長さん方も、どこかでウチの奥神様が言っているようなことを誰かに言われてるかもしれません。

 

【たくさんの問題を解決することが社長や責任者の仕事】

「大変なこと、難しいこと、時には辛いことに挑戦して、それを乗り越えてこそ、人間は磨かれて成長するものなんだ。

何もしなければ、マンネリになり腐ってしまう。

腐った人間ばかりになったら会社は朽ち果ててしまうぞ。

その時に困るのは自分だ!」

こんな言葉を、言い方はいろいろ使い分けてきましたが、私もどれだけ人に言ってきたでしょう。

でも、「オマエはどうなの?」と自問自答すると、「自分もまだまだ、甘い」となってしまいます(反省)。

社長や部門の責任者になると、ある種の権力を持つことになります。

反対に、他人から指摘を受ける機会は減ります。

他人から耳の痛い話をしてもらう機会がなく少なくなるのも事実です。

自分の過ちをきちんと認めるという謙虚さをもたないと、楽な方に楽な方に舵を切ってしまいがちになります。

「人手不足で現場には出なきゃならないし、自分の都合ばかりを言う従業員にも気を使いながらシフトを組む作業もやって、一日の売上管理、支払い処理、月末には給料計算、銀行との折衝、資金繰り、販促・宣伝のこと、それに家庭や子供のこと、あれやこれやで嫌になってしまいますよ。

社長なんか辞めたいですよ。」

たまにこんな愚痴を言う社長がいます。

私も同じ立場としてわからないわけではありません。

愚痴として聞いてあげることはあります。

でも、だからと言って社長が問題から逃げてしまったら、下の人間はどう思うのでしょう。

「社長があんなんだから、我々がシャカリキにやらなくてもいいだろう」となるでしょう。

組織が腐っていく原因菌に社長がなってしまうのです。

うまくいっている会社のほとんどは、社長が元気です。

「なんだかわからないけど、社長が一生懸命に取り組んでるな、こりゃ我々もやらんといかんだろ」と思わせる動きをしています。

時には間違いや失敗をすることがあるのが経営ですが、それに対して真剣に取り組んでいる社長を馬鹿にする社員は少ないものです。

間違いや失敗に気がつき、それを問題ととらえて、新たな策を講じて、また挑戦する。

その繰り返しを行っているうちは、本当は間違いや失敗ではなく、単なるつまずきなのです。

そして、解決するたびに、達成感となり、きつかったことが楽しさに変わるのです。

問題から逃げず、解決に向かって努力する社長、そして、それを尊敬してともに問題に向かっていく社員、その図式が会社の中で作れたら繁栄は難しくありません。

考えたら、問題がたくさんあるのは、会社が伸びる材料がたくさんあるとも言えますね。

ではまた。