KAZU石田の『飲食店現場の眼-小さな気づき-』  Vol.66

節分も過ぎて暦上では春・・・のはずですがまだまだ寒いですね。

インフルエンザの猛威の中、スタッフの体調管理や店内感染の予防は万全ですか?

インフルといえばウィルスですが、店内で起こる感染症は、なにも病原菌だけではありません。

今回は、部下のやる気をそぐ店内感染の話をひとつ。

有名店、繁盛店と言われている、お店の大失態の実例です。

その店は、立地が良いこともあり、連日行列ができていたほどの店でしたが、店長の行動が店を台無しにしてしまったのです。

この店長は、忙しさのあまり慢性的な疲れを抱えていたせいかもしれませんが、店長本人が無断で勝手に休憩を取ったり、私用の外出がたびたび重なったりと、店舗営業をほったらかしにするようになりました。

繁盛店ゆえの油断や甘えもあったのかもしれません。

このような行動の繰り返しは、当然、他のスタッフに示しがつかず、挙げ句には部下の社員に媚びて、部下にも規定以上の休憩を与える始末。

その結果、何で私たちだけ忙しいの?店長は?社員がサボっていると、アルバイトスタッフなどからブーイングの嵐となりました。

スタッフのやる気や協力的な行動も無くなり、店長や社員のために何で私たちがシフトをうめるのか、なぜ休憩も満足に取れないのかと様々な不満が渦巻き、店長を守り立てる空気も無くなり、営業中もやる気のなさから、接客は最低レベルまで落ちる状態となりました。

お客様の不満や商品低下の事態にも、気がつかない、見て見ぬふりをするといった有り様で、繁盛店が下降の一途真っ逆さまです。

そうなると、今までにはなかった、考えられなかった問題も起こるもの。

従業員間でのケンカや、貴重品置き場の不徹底やほったらかしかといった管理のせいで盗難騒ぎまで起こり、店舗運営は崩壊寸前にまでなりました。

責任者の行動の一つ一つが店舗全体の士気や店舗環境に影響を与える。

一店舗といえども、店長の気のゆるみやいい加減な行動があっという間に売上の低下や店のイメージダウンにつながるということを心しておかなければなりませんね。

店長が職場をおろそかにするなどということは極端な例ですが、小さなほころびや油断はやがて大きな失敗や損害を引き起こすもの。

責任者の店舗での立ち振舞いが、店全体の運命を左右しかねないという自覚と責任を持たないと大変な事になるということを肝に銘じておきましょう。

店長の果たすべき役割とは?

店長として、どんな店舗づくりを目指していくのか?

将来の店舗のあるべき姿を明確にすることで、そこで働くスタッフ全員に方向性を示し、働くことの意味付け、動機づけをしていく。

「ヒト(従業員)」の意識を高めることを重要視して、人材教育、育成に尽力していきましょう。