KAZU石田の『飲食店現場の眼-小さな気づき-』  Vol.73

朝晩日毎に冷え込んできました。

ついこの間までの挨拶は、「暑いですねぇー」だったのに、季節の移り変わりは、忙しいくらいに早いものですね

年末に向けての宴会等の販促は、万全でしょうか?

もう、待ったなし。

大手などは特に動きが早いので、遅れをとると命取りになってしまいますね。

近隣の競合店等の動向にも気を配りながら、繁忙期に挑みましょう。

以前もお話しましたが、各現場で未だよく見かけるので、再度、商品の原価意識についてお話します。

メニュー開発というのは、どの店の担当者も、業態・コンセプト・利益・価格・構成・食材の調達・流行・お客様の要望など様々なことを考慮しながら、検討を重ね、苦労して開発しているはずです。

ですが、担当者の思いが、現場にどれだけ伝わっているのかというと疑問を感じることが多々あります。

問題なのは、まず、厨房スタッフが、まったく商品の原価を知らないで、調理に携わっているケースがよく見られることです。

調理するスタッフの調理技術がいかにしっかりしていても、売価を知らない、関心がない、食材の原価にも無頓着では、どんなにヒットメニューを開発しても、赤字メニューとなる可能性もあるでしょう。

しっかりした基準表レシピがあっても、原価意識がなければ、現場で調理する際、ポーションオーバーや仕込みロスをしがちになります。

食材原価にまったく興味がない、野菜がいくらかなんて知らない調理スタッフもいますから、要注意です。

何年も同じ材料と向き合っているのに何も知らないでは、困ったものですね。

食材をケチろと言う意味ではないことは、おわかりかと思いますが、汗を流して一生懸命仕上げた商品が、売れば売るほど赤字では、残念としかいいようがありません。

ぜひとも、メニューの企画意図や食材、原価にまで興味を持たせるようにしましょう。

特にこれからの飲食業界は繁忙期、ゴールデンシーズンです。

適正な利益の出る商品作りをしっかりと実現しましょう。

最後に、ここ数年の仕入れ食材の価格は、大きく変動しています。

ロングランヒットメニューをお持ちの店舗は、既存の基準表レシピの見直しをこの機会にされてみてはいかがでしょうか。

金庫番メニューがいつのまにか、赤字メニューになっていたなんてことがあるかもしれません。

原価意識は、「まずは経営者から従業員、パート・アルバイトにいたるまで」ですね。