KAZU石田の『飲食店現場の眼-小さな気づき-』  Vol.144

10月になって、ようやく涼しい風が吹き始めましたね。

それにしても暑さが長かった。皆様お身体は大丈夫でしょうか?

これからも油断せずお過ごしください。

この間にも、町巡りをライフワークとして、ほとんど毎日、何某かの飲食店に顔を出している私です。

そこで最近感じるのは、飲食店で働く方々のレベルが、失礼ですが落ちているのではないかということです。

人手不足も深刻なため、選択の余地なく雇用していることも原因だと思われますが、「???」なことに出合うことが多くなりました。

先日も二人で入店した寿司居酒屋で、注文した刺し盛が運ばれてきたのですが、取り箸がなかったので、「取り箸もらえますか」とお願いしたところ、「あ、はい、1本ですか?2本ですか?」と尋ねられました。

1本?2本?はて、彼の言いたいことは何となくわかるけれど、まさか、ホントに1本持って来ないだろう、でも、二膳もいらないし、と咄嗟に???が頭を駆け巡りました。

結局、「一膳お願いします」と答えたのですが、彼から「あ、一本ですね」と直されてしまいました。

うさぎとか蟹とかの数え方だったら、難しいのはわかるけど、箸の数え方ぐらい知っていてくれよと思ってしまいましたが、余計なことを言って、面倒くさい親父だと思われるのも嫌なので「はい」と答えて終わりにしました。

細かいことと思われるかもしれませんが、「箸一本」は、当然、突っ込んでくるお客様はいらっしゃるでしょうね。

そんな中、先日は逆に良い思い(対応)に出合いました。

少し時間が空いたので、カフェで仕事の整理をしようと入店した時のことです。

先客がレジで手間取っていて、なかなか注文に進みません。

財布の中のカードが見つからないようで、まごまご探しています。

おとなしく待っていたのですが、その時、奥にいた男性スタッフが、わざわざ出てきてくれて、小声で「お客様、ご注文、先にお伺いします。

何になさいますか?」と聞いてくれたのです。

その気遣いにとても気分がよくなりました。

先客がようやく終わり、いい気分でレジに進みましたが、そこで応対してくれた女性スタッフがまた、気が利いていて、会計を済ませた私に、「お客様、そちらのポイントカード使えますよ」と財布に入っているのがちらりと見えたのでしょう、提示するよう促してくれたのです。

なんだか優しさの連続攻撃を受けたようで、さらにいい気分になりました。

ポイントカードやサービス券、特典の提供など、こちらから差し出さなければ何も言われず、そのまま過ぎ去ることが多いため、こんな応対はうれしいですね。

ポイントが溜まったことではなく、ちょっとしたことでも気遣ってもらえたことに感激するのです。

この日はこれで終わらず、ドラッグストアでもスタッフの方が優しい応対をしてくれたので「良い一日だぁ~」と思わず声に出して帰りの道を歩いてしまいました。

そうなんです、私たちのサービス業は、ほんの小さな気遣いができるだけで、お客様を幸せな気分にできる仕事なんです。

そんなことを、普段から従業員の方に話してあげるだけでも教育になるのではないでしょうか。

お客様の笑顔を創りましょう。

では、また。