KAZU石田の『飲食店現場の眼-小さな気づき-』  Vol.146

今年も早いもので師走の時期となりました。

さすがに、寒い日が続くようになり、お会いする顧問先の方々のお店では、体調を崩したり、インフルエンザにかかったりした従業員の話が出るようになってきました。

どうぞ、皆さん体調には十分気をつけてお過ごしください。

クリスマスや年末の宴会の予約も去年よりは多く入るようになっているようです。

元気に乗り切れるように願っております。


街の飲食店は、これからの時期は”稼ぎ時“ですね。宴会コースの看板を出し、クリスマスのディスプレイを掲げる店も見かけられます。

食材が高騰しようが、人件費が大変だろうが、原資である売上は少しでも多く稼がねばならないのですから、当然と言えば当然ですが、ホント大変な努力をしていますね。

そんな様子を見ながら、今回もスタッフと二人で視察がてら、ぶらぶらと街を歩いてみました。

どこで食事をするか迷った末、「そういえば、最近あの店ご無沙汰ですよね」ということで、何度か行っている寿司居酒屋に足を運びました。

暖簾をくぐり、案内されてテーブルに座り、メニューを見ていると、注文を取りに女性がやってきました。

「あっ、お客さん!」

彼女は、私の前に座っているスタッフを見て、そう声を上げました。

スタッフも、「あぁ、久しぶりだね。僕のこと覚えていてくれたんだね」と寒い中、しかめっ面で歩いていた男の顔がみるみる機嫌よさげな顔に変わっていきます。

「えぇ、覚えていますよ。」

前回、テーブルに引き留めて、いろいろ彼女に質問していたので、彼女も覚えていたのでしょう。

よく見ると彼女の眼は、しっかり、スタッフを見つめ、笑顔で話しています。

アイコンタクトが自然にできているのでした。

忙しい最中、また、引き留めても申し訳ないので、さっさと注文して戻ってもらいましたが、スタッフはその後も機嫌よく食事をしたのでした。

どこの店でもサービススタッフができていないのがアイコンタクトです。

アイコンタクトは科学的にも言われていることですが、しっかりと相手の目を見て話をしていると、相手には【自分に興味があり、認めてくれている】(勘違いでもあるのですが・・・)という気分を良くするドーパミンという物質が脳に出現するという効果があるらしいのです。

ですから、スタッフにはこのドーパミンがバンバン出ていたわけで、機嫌がよくなるのがよくわかります。

お客様を迎えるとき、料理を提供するとき、会計をするとき、お見送りをするとき、目を見て言葉をかけるだけでお客様は気分が良くなるのですから、ぜひ、皆さんも心がけたらよいのではないでしょうか?

私たちのサービス業は、ほんの小さな気遣いで、お客様を気分よくできるんです。

ホント、大変ですが頑張りましょう。

お客様の笑顔を創りましょう。

では、また。