KAZU石田の『飲食店現場の眼-小さな気づき-』  Vol.147

明けましておめでとうございます。

新年をゆっくりと迎えた方も多いと思いますが、元旦の午後、まさかの災害のニュースが飛び込んできました。

石川県能登半島での大地震です。

時間が経つごとにその悲惨さが伝えられ、心が痛むばかりです。

広範囲にわたって被害が出ている模様で、顧問店の方もその中にいらっしゃったので、慌てました。

幸い、直接的に大きな被害はなかったようで、安堵しましたが、そうは言っても今後の影響は少なくないはずです。

できるだけの協力をするつもりでおります。

さて、災害のニュースに心穏やかでない都心の民ではありますが、普通に過ごすしかない様相で、正月を迎え、飲食店もそれぞれが営業を通常に始めています。

自身の生活をする時間は止められませんから、自身のできる範囲で支援を考えるということでしょう。

というわけで、1月の始まりは、飲食店を覗くことから始めました。

とはいえ、アルコールは控え、食事を中心に大手ファミレスにスタッフと二人で入店です。

大手、特に長年の営業実績を誇るチェーン店は、大きなはずれがありませんから、安心して入店できますね。

歴史というものは安心と信頼を生むものです。

もちろん個人店もそうですから、いかに長く続けることが素晴らしいかを次の時代のヒトに伝えるのも大切なことですね。

ただし、その継承・発展には、時代の変化を受け入れることが必要でしょう。

新しい時代の変化や取り組みには、新しい問題も出てくるものですが。

ここでも…。

席に案内されて「そちらのタブレットか、こちらのQRコードからご注文ください。」

いつの間にか数年かからず、新しい注文方法も浸透しているのが現実です。

ここで、いっしょに行ったスタッフが「あれ?反応しないなあ」とタブレットにてこずっています。

「おいおい、機械にも嫌われているのか?

オレがやろう。」

軽口をたたきながら私が操作してもらちがあきません。

近くにいた従業員に声を掛け、反応しない旨を告げたところ、彼はこう答えました。

「すみません、古くなってきたせいか、最近、バズるんですよ。

口頭でお受けします。」

バズる?

バズる(主にSNS等で使われる、短期間で爆発的に話題が広がり、多くの人の注目を集め、巷を席巻すること)って、この場合、意味違うでしょう。

言い間違いなのかと思いながらも注文を済ませました。

彼がいなくなると、スタッフが「今のってバグるですよね?

(パソコンや電子機器が誤作動、意図しない動きをすること)

それとも、若い子はこういう使い方もするんですか?」と。

「わからないなぁ。

今の子たちは自分たちの解釈を勝手に広げるから、ついていけないよな。

だけど、これからの主役は彼らなんだから、ついていかなきゃ、しょうがないだろ。」

「でも我々の上の世代は怒り出す人もいますよ、バズるの時点で。」

「そうだね、接客は明確な言葉遣いが基本だね。

わかりやすく説明するのがホントのサービスだしね。」

いやはや、疲れますね。

私たちのサービス業は、ほんの小さな気遣いで、お客様を気分よくできたり、意図せず怒らせたりするものです。

ホント、大変ですが頑張りましょう。

では、また。