『食の豆々知識』 Vol.84 卵(3)
「こめたまご」って知っていますか?
普通、とうもろこしなどを肥料に育てますが、こめたまごは、国産のお米を食べて育った鶏の卵です。
2008年のコラムで、卵を2回取り上げていますが、その時に、卵黄の色は、食べる飼料で違う、ということにふれたかと思います。
一般に、とうもろこしや、唐辛子などを食べさせて育てた鶏の卵黄は、濃い黄色になります。
このこめたまご、着色料なし、白いお米で育っているので、黄身は、クリーム色。
なんだか、一般の卵の印象とは違います。
味は、さっぱりとしていて、好みはありますが、食べやすい感じです。
栄養価が高く、近年話題になっています。
なので、今回は、まずは、一般的な卵の栄養の話。
● 卵は、完全食品?
卵には、たんぱく質のほかに、ビタミンA、B1、B2、D、などのビタミンが豊富に含まれています。
また、実は、鉄分は、ほうれん草の2倍、なんと、カルシウムは、牛乳の1.5倍と、ミネラルも充実。
卵1ヶで、30代女性(私が基本 笑)の1日の推進量の鉄分を10%も摂取できます。
とっても、バランスのよい、完全食品なのです。
● ゴーヤたまごかけごはんは、スーパー完全食品?
最近、たまごかけごはんに、ゴーヤをすりおろしてかけて食べることに、はまっています(おすすめレシピでも紹介しちゃいました)。
ゴーヤは、それほど得意ではないんですが、すりおろして、卵、かつおぶしと混ぜると、マイルドになり、逆に、ちょっとした苦味がくせになるんです(笑)。
卵の欠点は、ビタミンCと食物繊維がとれないこと。
これが、ビタミンC、食物繊維が豊富なゴーヤを加えることで、更に、スーパー完全食品になるんですね(笑)。
もちろん、ゴーヤじゃなくてもいいですが。
卵を食べるときは、ビタミンCや食物繊維と一緒にとると、更にいい、ということです。
● SサイズとLサイズ、Sサイズの方が、栄養があるって本当?
卵黄と卵白で比べると、卵黄の方に、ビタミン、ミネラルは多く含まれています。
卵白に、多いのは、ビタミンB2とたんぱく質でしょうか。
前回の、卵①②のコラムのときに、卵のサイズの話をさせて頂いているかと思いますが、Sサイズと、Lサイズの違いは、重さです。
更に、Sサイズも、Lサイズも、卵黄の大きさは、ほとんど、20gと変わりありません。
つまり、SサイズとLサイズ、たんぱく質とビタミンB2が、多少Lサイズの方が多少多く摂取できるだけで、栄養価はあまり変わりありません。
gあたりで比較すると、Sサイズのほうが、栄養がある、ということになりますね。
● 卵は、アルツハイマー予防にいいの?
卵の、「レシチン」という成分に含まれる、「コリン」という呼ばれる成分があります。
これは、記憶や学習に関係する神経伝達物質「アセチルコリン」の材料となるものだそうです。
更に、卵のコリンは、体内に吸収されやすいそうです。
そのため、卵は、記憶力や学習能力の向上、認知症予防や症状の改善に役立つと、最近注目されています。
うちの子供の学習能力があがらないのは、アレルギーで卵を食べていないからか(笑)。
● お酒のおつまみは、卵焼き、2日酔いの朝には、たまごスープで決まり。
「メチオニン」は、肝臓でアルコールを分解するときに必要なアミノ酸です。
また、「シスチン」「グリシン」「グルタミン」は、肝臓の働きを助けて、回復力を高めるアミノ酸です。
これらは、2日酔いの薬にも入っている成分でもあります。
たまごには、これらのアミノ酸がバランスよく含まれているうえ、アルコールの分解を助けるビタミンB群も豊富。
アルコールを取るときには、卵も必須ですね。
● 風邪には、たまご酒か、たまご粥。
風邪薬に含まれる成分「塩化リゾチーム」は、卵白から抽出した「リゾチーム」を元に作られます。
リゾチームは、身体に有害なウイルスを溶かし、免疫力をあげる働きをします。
風邪には、たまご酒か、たまご粥。
おばあちゃんの料理は、理にかなった習慣だったんですね。
ちなみに、風邪薬を処方するときに、特に子供にアレルギーの有無を聞くのは、この成分のためです。
● 栄養価の違うたまご
最近は、栄養価が違う(値段もかなり違う)卵が、いろいろとでています。
これは、与える飼料でたまごの栄養価が違うからです。
例えば、
など。スーパーでもよくみかけませんか?
うちの子供が、アレルギーのため、卵と乳製品、大豆を除去していたとき。
カルシウムは、足りないだろうと、気をつけて小魚などで、摂取をさせてはいたものの、血液検査で、鉄分不足、とでてびっくり。
子供にも貧血があるなんて、と。
そこで、実は初めて、卵に鉄分が豊富であることを知った私です。
すみません、勉強不足で・・・。
あらためて、たまごって奴はすごい奴ですね。