『食の豆々知識』 Vol.232 熟成肉

10月から、様々なことが変わっているようです。

インボイス制度が始まったことは1番の話題かと思いますが。

他にも、最低賃金が引き上げされたり、酒税法が変わって第3のビールが値上げされたり(本物のビールは値下げされましたが)。

国際郵便や書留などの値上げもありました。

そして、ふるさと納税のルール改正により、熟成肉と精米が返礼品から除外...。

ということで、今回は、その「熟成肉」について。

 

●で?まずは熟成肉って?

熟成肉とは、一定期間低温で保存することで、味や食感を変化させた食肉のこと。

熟成方法は、今、日本には4種類ほどあり、それぞれ出来上がり、味わいが異なりますが、どれも、水分が蒸発することで旨味が強くなり、また、たんぱく質が分解するため、肉質は柔らかくなり、「美味しくなる」と言われています。

ただし、日本ではまだ、熟成肉の定義も、規定も基準もなく、数日冷蔵庫で寝かせた肉も、数か月整った環境で熟成された肉も同じように「熟成肉」として提供され、本当に熟成しているのか、腐敗はしていないのか、断言できるものもなく、その点が問題となっています。

もちろん、冷蔵庫で寝かせればできるわけではなく、家庭ではつくれません。

ご注意を。

 

●ふるさと納税の返礼品から除外されたの?

厳密にいえば、完全に除外されたわけではありません。

「加工品のうち熟成肉と精米について、原材料が当該地方団体と同一の都道府県内産であるものに限り、返礼品として認める」となります。

つまりは、肉や米がその土地でとれたもので、それを熟成したり、精米したりするのであればいいですが、他の土地から買った肉や米は、返礼品から除外しますよ、ということです。

これが決まったのが6月下旬。

なので、除外される返礼品のところは大変な訳です。

ちなみに、加工品であれば認められます。

他の土地から肉を仕入れてハムを作ったとしたら、それは返礼品になるわけです。

つまりは、熟成肉が冷凍肉と何が違うのか、という定義や規定がないのが問題なんですね。

ところで。

様々な熟成法のうち、ドライエイジングは、アメリカの熟成法。

日本の伝統的な熟成法とはまた別物で。

この方法ももちろん提供される側としてはわからなく、同じ「熟成肉」と書かれてはいるものの、旨味や柔らかさが違うのは、そういうことなのかもしれない、と思いながら、いや、それがわかるのか?とも...笑