石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】その148
「サイコロをよっこらしょと振って目が出たらそれを終わりまでやって、またサイコロを振る・・・。
仕事を面白がってやれるエネルギーだけはなくしたくない。
一歩一歩・・・。」
最近、活躍が目立つ75歳になる俳優の藤竜也さんの日刊紙に載った言葉です。
経営者には俳優と同じで決められた引退はありません。
彼の言葉は通じるところがあるような気がします。
第一線で活躍できるのはエネルギーがあるかないかでしょう。
毎日同じ作業の繰り返しの中、取り組む問題を見つけ、それを解決しながら一歩進み、また立ち止まる、の仕事の繰り返し。
エネルギーがなければとても勤まりません。
では、エネルギーはどこから生まれるのでしょう・・・。
【お客様の笑顔をエネルギーに変えよ!】
「これで儲かるなら、日本の経営者も元気になるのになあ。」
海外で食事をするといつも思うのですが、発展途上国や屋台のような店は別として、ほとんどの店で感じるのは《価格が高い》ということです。
地元で評判の店ということで期待していくと「これでこの値段!?チップも入れたら“えっ”」ということに出会うのは珍しくありません。
それでいて、サービスが抜けだらけの場合もあります。
埃が付いたフォークがセッティング、グラスには前の人の口紅、会計の間違いetc。
「普通ですよ、日本が安すぎるんです。
日本に行けば私たちは最高です。
あんなに美味しくてよいサービスであの値段はグレイトです。」
そうなのです、時とともに徐々に価格が上がっただけなのです。
日本の飲食業の経営はこの20年、難しさを増すばかりです。
デフレの影響で価格は据え置きのまま、またはダンピング販促。
喜べる数字がなかなかはじき出すことができずにきました。
数字が悪ければやる気がなくなるのは仕方ないかもしれませんが、そんなことを感じさせずに元気な経営をしてきた社長達もいるのは間違いありません。
競争の激しい業界の中生き残ってきた彼らは何が違うのでしょうか。
彼らの共通しているのは《お客様が喜ぶことが楽しい嬉しい》と思う心をいつも語ってくれることです。
そして、そこで働く人たちの環境を気づかっていることも共通しています。
お客様の喜ぶことを基準にして問題解決を図り、それを従業員と感情共有する努力をしています。
結果、数字も良くなり、因果関係を実感できるので「お客様の笑顔がエネルギーに変わる」という、良い行動サイクルができあがるというわけです。
お客様の《喜び欲求》は止まることがありません。
更に更にもっともっとが続くのですから、こちらもエネルギーを切らすわけにはいきませんね。
ではまた。