石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】その192
「動物園も休みだよ。
緊急事態宣言解除なのになあ。」
「あなた、いつから動物好きになったの。
聞いたことないけど。」
「スポーツとか旅行とか娯楽が何にもないし、ほとんど、外出してないだろ。
これだけ続くと動物園でも行って癒されようかなと・・・。」
「こんな時なんだからしょうがないでしょ、散歩でもしてらっしゃいよ。
また太るわよ。」
「こんな暑い中、マスクして散歩なんかしたくない。
熱中症になったら医療関係者に申し訳ない。
菓子食ってつまんないテレビ見て、ごろごろしてるのが一番。」
「何も変わらないわね。」
緊急事態宣言が延長され、そしてようやく解除、そうは言っても収束したわけではありません。
我々皆の生活はかなり変化したように思います。
飲食業界の人達も商売の考え方を少々変えないといけないのではないかと思うのですが、はたして・・・。
【コロナ後はWITHコロナなのか、今できることは】
外出自粛・要請により、私たちの生活は一変したのではないでしょうか。
テーマパーク、映画館、劇場、遊戯施設などの娯楽施設は休業を余儀なくされ、在宅時間が多くなったことで、楽しめる娯楽がホントに少なくなりました。
そんな中、家で楽しめる新たな趣味・娯楽を見つけた人も多くいるでしょう。
飲食店には戻ってくるのでしょうか。
5月に入ってから世界の多くの国々がロックダウンを緩和し、飲食店の営業再開が可能になりました。
ですが、簡単に営業再開結果オーライかというとそうではないようです。
そんな中、アメリカの様子や情報が入ってきました。
アメリカで出店している社長からのものです。
どうも飲食業界の今後は厳しいものになりそうだとのこと。
専門家によれば、アメリカの自営業飲食店のうち75パーセントは、この新型コロナ感染の状況下で生き残ることは難しいだろう、と言われているとのことです。
全米レストラン協会(National Restaurant Association)は、新型コロナウイルス流行を受けた休業や営業時間短縮によって、米国のレストラン業界の売上高が今後3カ月で2250億ドル(約24兆3000万円、1ドル=約107円)失われる恐れがあるとの試算を示したそうです。
日本も同じ道をたどるとは考えませんが、新しい生活様式下での生活が始まったのも事実。
営業を再開した飲食店も多いですが、危機はまだ続いています。
緊急事態宣言解除後の外食頻度についての調査では、「緊急事態宣言前より減る」が46%、次いで「緊急事態宣言前より少し減る」が24%で全体の70%を占めるという結果もあるのですから、まだまだ飲食店での感染リスクを恐れる人は少なくないようです。
さらに、飲食店側でも、営業時間や客席数を絞っての営業に加え、消毒の徹底など従業員の負担増、インバウンドや宴会利用の減少など、依然として厳しい状況が続くことが予想されます。
一方で、この戦いは長期戦と覚悟し、先を見据えて動き出している経営者も多くいらっしゃいます。
新型コロナは、備えがなかったから大変な目に合った。
また同じような危機が来ることも想定して、SNSなどの情報ツールの充実、生産者・食材業者との連携、ノウハウのシェアと勉強、同業者同士の売り場物件のシェアなどを考えているのです。
先が見えない現在、飲食店にも慎重な判断が求められるのでしょうが、多様な日本の食文化を守るためにも、飲食業界は変化への柔軟な対応力をもってこの苦難を生き抜いていかなければなりませんね。
ではまた。