石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】その201

「あら、今日もウチご飯なのね。

最近、ウチでご飯多いわねぇ。」

「君のご飯がとても美味しいから、楽しみなのよね。」

「よく言うわよ、時短で飲食店がやってないからでしょ。

いいけど、口だけシェフはやめてね。」

「何言ってるの、君の成長のために評価を言うだけでしょ。

君のためを思って・・・」

「まだ続くの!?

早く行きなさいよ。

行ってらっしゃい!」

「・・・。」

まあ、奥神様にはいつも感謝しております。

それにしても、世間でもおそらく飲食店の利用が激減しているでしょう。

ホント心配です。

我々飲食店経営者はどう考えるべきでしょうか。

 

【エンジェルリングはできていますか】

政府が「緊急事態宣言」のさらなる2週間の延長を一都三県に決定しました。

〈飲食店〉に関する処遇は変わりません。

時間短縮は続くということです。

まだまだ苦境が続くのは間違いありません。

相変わらず、夜営業は見込み薄ですね。

飲食店の社長との打ち合わせで、久しぶりに、居酒屋さんでやりましょうということで、予約をして出かけました。

営業は8時までとは言え、渋谷の一等地の店ですが、お客様の入りはまばらです。

家のみでは味わえない生ビールはやっぱり旨い。

ぐっと空けておかわりを頼みました。

スタッフの方に「このビール美味しいですね、エンジェルリングがしっかりできていい状態ですねえ」と声を掛けました。

生ビールを飲んだ時にジョッキの内側に幾重もの泡ができますよね。

これを「エンジェルリング(天使の輪)」と呼びますが、天使の輪が綺麗にできるには、いくつかの条件があります。

まずジョッキがしっかり綺麗に洗われていること、そしてビールの樽が新鮮であること、更にビールサーバーがきちんと清掃されていること。

もちろん、ビールの注ぎ方にもコツがあります。

これらの条件が全て揃って旨いビールの証「エンジェルリング」ができるのです。

スタッフの方はこう答えました。

「ありがとうございます。

(緊急事態宣言の時短で)こんな状態ですから、グラス磨きばかりやっています。

まあ、やるべきこと、やれることをしっかりやるだけなんですけど。

あの、飲食店の方ですか?

よくご存じで。」

「あ、いやいや、口だけマイスターです、ガハハハッ。」

暇だからと腐っていても何も変わりません。

やるべきことをしっかりやることはお客様の心を動かします。

とんかつの衣はパリッと揚がっていますか、ステーキの肉は柔らかで美味しく焼きあがっていますか、マグロのトロはうま味たっぷりとろけますか、ご飯はふっくら炊けていますか、そばつゆやみそ汁のうま味はしっかり出汁がとれていますか、ハンバーグはジューシーでしょうか。

アフターコロナは確実にやってきます。

その時に信頼され選ばれる店は、やるべきことを忘れていない店のハズです。

それを信じて今日も辛抱で励んでいただきたいと思います。

大変な飲食業界ですが負けないでくださいね。

ではまた。