石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】その204

 

「緊急事態宣言がまた延長かぁ。

相変わらず、飲食店が酒類提供ができないのは厳しいなあ。」

「お店がお休みだから、サラリーマンや若い人が路上で飲んで騒ぐし、ゴミ出すし、大変ね。」

「都心はね。

地方は家飲みで、どちらにしても飲食店は窮地だよ。」

「あなたみたいな人がいっぱいいるのね。

道で飲まないでよ。」

「アル中じゃないんだから、それはない。」

「お酒がないと料理食べられないのかしら。

不思議だわ。」

「・・・。」

私に限らず、フレンチ・イタリアンにはワイン、和食には日本酒や焼酎、という具合に料理と酒類をセットで楽しむという方は多いはずです。

そこにビジネスチャンスを見出したのが飲食店ですから、そこを断たれてしまうとお手上げです。

ですが、企業は何とか生き残るように努力をしなければなりません。

イロイロと出てきているようです。

 

【今出てきている新商品・新業態】

 

3度目の緊急事態宣言が延長されました。

緊急事態宣言の対象地域では、飲食店の午後8時までの時短営業に加え、酒類の提供を停止する要請は変わりません。

まともな営業ができない日々が続きます。

緊急事態宣言の対象地域以外にも影響は全国に及んでいます。

この状況下で、店のあり方を模索して、改善改良を考え、新しいことにチャレンジし始めた飲食店や飲食関係企業が少なくありません。

商品で言えば「ノンアルコール」のクラフトビール・ジン・日本酒・ワイン・ハイボールなどの新商品が続々と登場しています。

飲食店もこれらをメニューに導入して、なおかつ、盛り合わせ料理を小分けにして提供するなど、少しでもお客様の来店につながるように努力をしています。

しかし、回復の決定打には程遠い様子がみてとれます。

苦肉の策として、業態そのものを変更した例も出ています。

ダイアモンドダイニングのワインバーが「デカ盛りパスタ」の店に挑戦してお客様を集めていますし、ワタミや三光マーケティングの「金の蔵」は、比較的新型コロナウイルスの影響が低い焼肉店への変換を急いでいます。
 
私も提唱していた、対症療法としてのテイクアウトも多くの店が手を付ける中、店頭を改装してテイクアウト専用口を設けるなどの他、静かな「から揚げブーム」に乗って、〈から揚げのFC〉に加盟する店も現れています。

デリバリーも自店で対応する店だけでなく、多くの店がウーバーイーツや出前館、フードパンダなどを利用して参入していますね。

最近は発展型として、店舗を持たずネットの中だけに存在するバーチャルレストラン(ゴーストレストラン)が増殖を始めました。

場所を選ばずできることから家賃の安い繁華街の外側やビルの上階にキッチンだけを作り、デリバリーだけで勝負するあり方は、長く続くコロナ禍で店をあきらめた経営者やリストラにあったシェフ、フードビジネスへの新規参入者の希望になっているのでしょう。

器用な経営者は自店の中に別料理でバーチャルレストランを立ち上げるなどの例もあります。

デリバリーの市場規模は2019年4,172億円、2020年4,960億円、2021年に5,678億円、2023年に6,821億円へ。(※ICT総研による市場規模推計)

キッチンカーも新しいチャレンジとして、大手企業のアシストなどの後押しもあり、注目されています。

あの手この手、何しろ生き残り手段を考えればなりません。

ただし、落とし穴もおそらくあるでしょうから慎重に、いろいろと考えて進んでいきましょう。

辛抱で励んでいただきたいと思います。

負けないでくださいね。

ではまた。