石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】その221

「コロナ禍を理由に休業した駅前の店が閉まったままだねえ。」


「そういえば、なかなか再開しないわね。

潰れちゃったのかしら。」


「何だか、寂しいし、残念だね。

業界が寂れるとおいらも心配だ。」


「そうね。

何とか景気も戻って、皆さん元気になるといいわね。」


奥神様の口から憎まれ口が出ないやり取りは久しぶりです。

さすがに社会の動きが身に染みているのでしょう。


「しばらくは、業界もタイヘンなことが続くだろうから、おいらもどうなるか、君も我慢が必要になるかもよ、よろしくね。」


「はーい、私は変わりないわよ。

あなたが立派にタイヘンをこなせばいいことだわ。

精一杯、頑張ってね。

ハハハ」

「やっぱり、そうくるか・・・。」


秋も深まり、紅葉シーズンを迎える11月となりましたが、コロナは早くも第8波の到来が心配されていますね。

飲食店の様子は、まだまだ以前の活気に戻ってはいません。

さてさて我々飲食店は、年末に向かってどう動いていくべきなのでしょうか。

【油断はできないが、少しずつ確実に、動きは見えてきている】

年末年始の宴会について「開催しない」と回答した企業は61.4%で、昨シーズン よりも9.0ポイント減少したことがわかりました。

(東京商工リサーチ調査)


微々たるものですが、飲食店にとっては、良い傾向になってきているということです。

とはいえこの冬、コロナとインフルエンザのダブル感染症流行の懸念も言われているだけに、油断はできません。

さらに、ライフスタイルの変化からコロナ以前の盛況な年末は望めないでしょう。

大きな宴会はないと考えた年末戦術を考えないといけませんね。


「ようやく採算ベースに乗り始めました。

儲けが出てきたわけではありませんが、少しずつ希望が見えてきた気がします」という知らせが、いくつも顧問店から聞こえるようになってきました。

10月から始まった観光支援の「旅行割」の影響や自治体による「地域割りクーポン」の施行は少なからず、飲食店の来店増を後押ししてくれています。


我々は、そんな状況をただただ受動的に享受するだけでなく、お客様が「飲食店はやっぱり、日常の生活に必要だ!」と思っていただけるような、雰囲気作り・接客・商品提供を今まで以上に取り組んでいかなくてはなりません。


国内最大級の顧客満足度向上プラットフォーム「ファンくる」の意識調査で、外食の時のドリンク注文は3杯以内が87%という結果が出ました。

以前は3杯を少し越えていたはずですから、ライフスタイルの変化がこんなところにも影響しているのでしょう。

食事中心のレストランではドリンクを3杯も飲むお客様は少ないでしょうが、お酒を扱う店では、それ以下ではお話になりませんね。

データ取りをして自店が3杯以下なら、何が原因でどう動けば〈もう1杯〉につながるか話し合ってみる価値はあるでしょう。

ちなみに、ほとんどのお客様がビールを注文していることがデータで明らかになりましたが、そのビールで最も残念なことは〈冷えていない〉ということがあるということです。


確かにぬるいビールを飲んだ後では、次の1杯にいくテンションは上がらないでしょうね。

ビールの味見は、なかなかしないものですが、ブラッシュアップを考えたら、グラスやジョッキはキンキンに冷やすべきでしょう。

また、グラス・ジョッキも専用の種類を選んでもいいのではないでしょうか。

もし、ビールをなおざりにしているようならご一考を。


イロイロ大変ですが、頑張りましょう。

負けないでくださいね。

ではまた。