石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】その230

「コロナが終わったかと思ったら、今度は、この暑さ!

いやになっちゃうわ。」

「コロナは怖いわ、暑いのはいやだわ、不眠症だわ、体調が普通じゃないわ…。

冬になれば寒いのはいやだって言うんだろ。

キリがなく嫌なことを見つけるな。」

「あら、ひとつわざと避けたわね。」

「はあ、何よ~。」

「物価があがっているのに、お金が足りないわぁ。

ウチは夏のバカンスのバの字も出てこないわね。

あぁ~幸せってなんだろう。」

「・・・。」

業界もいい話はなかなかないものですが、最大の難関であったコロナの悪影響はほとんどなくなりました。

ここからがホントの踏ん張りどころですね。

 

【本当の闘いは今年から始まっている】

「2023年、外食は本格的に回復へ」と外食評論家はノー天気に楽観論を唱えたりしています。

確かに旅行業界は堰を切ったようにお客様の予約が増え、各地のイベントは再開され、多くの来場者を迎えている状況です。

ブライダルの予約も元に戻る勢いを感じさせ、パーティー予約も増えています。

インバウンドも目に見えて活性化し始めました。

実際に2か月前の外食業界の数字も、外食全体の売上は、前年比118.8%、19年比で101.5%(日本フードサービス協会)となったとのことです。

コロナも風邪と変わらぬ医者の対応で、不安感はほとんど消えてマインドは平和な日本を取り戻しています。

しかし、忘れてはいけないのはコロナ期間の間にため込まれた国民の強制貯金30兆円が動いている事実です。

ため込まれたストレスが発散されているに過ぎないのかもしれません。

世界情勢の変化、物価の高騰、ライフスタイルの変化、光熱費の上昇、増税、さらにいつまた新たな変異株が現れるかもしれません。

これら以外にも多くの懸念がまだまだあることを頭に入れながら経営を行っていかなくてはなりません。

[あっという間に財布のヒモが閉まる]のは、消費者の常ですから、油断できませんね。

街の臨場感も、「そうは簡単ではないぞ」と言っています。

なぜなら相変わらず閉まる店舗が目立つからです。

閉まった店舗には新たな業態が入るのですが、そのスピードが遅く感じるのは、やはり経済活動が戻っていないからだといえるでしょう。

金融機関も簡単に資金を融通する状況でないことも想像できます。

ならば、どう考えどう動くか。第一にコロナ対策で行ったことのバージョンアップでしょう。

テイクアウトやデリバリー、自販機、EC販売を、もう必要ないではなくて、進化させて更なる売上部門にするぐらいの感覚を持ち、店舗の営業は「コスパ」や「お得感」が重要なキーワードになると考えて、商品開発をしていかなくてはなりません。

お客様は、安くて美味しいだけでなく、健康や安全性などの付加価値も求めています。

それもまた、「お得感」なのです。

新商品やキャンペーンなどの施策でお客様を惹きつけることも必要で、コンビニやスーパーなど異業種からの攻勢にも対抗して、外食産業独自の魅力や価値を発揮しなくてはなりません。

また、オンライン注文や決済システムなどのIT化も進め、効率化や利便性向上にも注力しなくてはなりません。

さらに、ロボットやAIなどの先端技術を導入することで、人手不足や人件費アップなどの課題に対応する準備・勉強も大切です。

不安や懸念はいくつもありますが、生き残っていれば必ず飛躍の時が来るはずです。

明るい未来をイメージして今を過ごしましょう。

ではまた。