石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】その233

「○○店の社長、39度の熱が出たのに働かされたって、嘆いていたよ。」

「へっ?誰に?」


「熱っぽくて医者に行ったら、コロナだと診断されて、帰って奥さんに伝えたら、『準備したしお店は開けるわよ。

マスク2枚して他の人に移さないようにね』って言われてやったらしい。」


「それはかわいそうね。

でも、それだけ、大変なのね。

休めないのよね。」


「それがさぁ、翌日、今度は奥さんが熱を出したんだって。

そしたら、『しんどいから、今日は休む』って、さっさと帰っちゃったんだって。」


「あははは・・・。

すごい、見習わなきゃ。」

「・・・。」

(何見習う気だ)


ノー天気な奥神様のことは置いといて、コロナは大きな心配ではなくなったとはいえ、侮ってはいけない病気です。

それなのに、お店を閉めず、頑張らなければならないほど飲食店は追い詰められているのです。

これから、しばらく、なりふり構わずの時間が続くのかもしれません。

 

【飲食業界で起きている由々しき状況を知っておこう2】

都心で、活況が見えるのはインバウンドだけではありません。

ここ数か月、早い時間から、お客様がずいぶん入っているなぁという、特徴的飲食店を見かけることが多くなりました。


それは「タバコOK、喫煙できます」の看板を掲げる店たちです。

都内では、従業員がいる飲食店は全面的に喫煙不可のはずなのですが、これらの店は、複数の従業員がいるのにかかわらず、分煙さえしていないのです。


「お席でタバコ吸えます 年齢確認中」という表示が見えたり、「全席喫煙可」と大きく堂々と看板を出している店もあります。

居酒屋が多いのですが、カフェや喫茶店もあります。

メニューも普通の商品構成で特別ではありません。

どういうことなのでしょう。


よく見ると、【喫煙目的店】というステッカーが店外・入口に貼られています。


これらは、どうも【喫煙目的施設】という健康増進法で定められた【煙草を吸うことを目的とした施設であり、公衆喫煙所・たばこ販売店・シガーバーを想定】という中のシガーバーを拡大解釈した営業のようです。


シガーバーの定義は【施設利用者に対して屋内において喫煙場所を提供して、併せて設備を設けて客に飲食させる営業を行うもの】となっており、飲食は【通常主食と認められる食事を主として提供するものを除く】とありますから、居酒屋やカフェ・喫茶は主食を主として提供していないという解釈なのでしょうか。

制限として、従業員もスタッフも20歳以上の人間でなければ店内にいてはいけないので、年齢確認をしているのですね。


さらに、喫煙目的施設になるためには、保健所などの許可や届け出は不要で、ステッカーも交付されたものではなく、自分で作成してもよいのです。


たばこ販売という規定がありますが、それも抜け道があるので、障害にはならないのです。

何ともアタマのまわる方々が現れるものだと沈黙せざるを得ません。


もっとも売上が戻らない居酒屋としては、何とか生き残らなければと見つけた道と思えば、それに目くじらを立てられないのは私だけでしょうか。

調べてみると当局は、「どう対処するか」動き始めているのだとか。そうだろうなあと思いながら、本当に大変な日々を送る経営者たちの新しい手段がまた潰されるのかと思うと複雑な気持ちになります。


本気で経営を見直せば、また違う手段が見つかるはずです。

不安や懸念はいくつもありますが、明るい未来をイメージして、今を過ごしましょう。 


頑張りましょう。

ではまた。