石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】その238

「健康になりたくて飲んだ健康食品で、病気になるなんてひどいわねぇ。」

「ほんとだな。食品を作るってことが、どれだけ気をつけないといけないかってことがわかってないんじゃないか。

わかっていても慣れで気が抜けたんだろう。

君も僕の食事に慣れで臨まないように気をつけてくれよ。」

「あなたって・・・。

毒でも入れてやろうかしら。

自分で作れ。」

「毒はやめて。」

小林製薬の紅麹アプリの事件は、衝撃でした。

私の周辺でも飲んでいた方が数人いて、重篤な症状は出ていませんが、不安を語る口調は深刻です。

私もサプリは飲んでいますので、思わずパッケージの原材料を確認してしまいました。

奥神様もキッチンの調味料など点検したようです。

お客様に美味しいものを提供するのが我々飲食店ですが、安心安全を提供するのも命題ですね。

ちなみに、機能性表示食品とは、体脂肪を減らす働きをしたり、食後の血糖値の上昇を抑えたりといった、体にうれしい機能や安全性が販売企業によって確認されている食品 のことです。  

政府に届け出をして承認を受けて販売をしているもので、審査を受けてお墨付きをもらっているものではありません。

気をつけましょうね、とはいっても企業を信じるしかありません。


飲食店もお客様に信じていただかないと・・・。

 

【商品の見直しは定期的に必要】

商品の材料の吟味と仕上がりの品質は、我々の商売の要です。

顧問店を毎月訪れていると、そのことを忘れ、習慣で仕事を行ってしまっているようすが、時々見受けられます。

毎日の仕事に追われていると、つい惰性で仕事を行ってしまい、知らぬ間に商品価値を落としていることがあるということです。

先日も事例に出会いました。

「しばらく、○○食べていないですよね、彼らも頑張って、毎日作っていますから、今日は食べてくださいよ。」

「そうだね、今日はいただこうかな、ありがとう。」

試食をするときは、味を見るということだけではなく、量も含め、お客様と同じに食べることが大切です。

特に今は、盛り付けに関して「映え」を意識して見なければなりません。

器そのものや器と商品のバランス、色合い、そしてボリューム感、食べる時の温度も重要です。

「暖かいものは温かく、冷たいものは冷たく」提供されていなくてはなりません。

「ダメですね、スープは温度が低く、熱々感がありません。

肉は煮込みが足りず、口の中でほぐれません。」

この時はいくつかのダメ出しが出てしまいました。

ですが、これは珍しいことではありません。

どこでも起こりえる事例です。

同じ時期に行ったラーメン店では「盛り付けが汚い、食欲が失せてしまいます。

スープの温度は低すぎます」といった状況でした。

特に繁忙時間帯には、盛り付けまでの気が回らず、オペレーションがいい加減になってしまうのはよくあることです。

また、寒い時期には器が冷えてしまい、商品の温度を下げてしまうということが起きてしまいます。

さらにドリンクも繁忙時間帯などはグラスや生ビールのジョッキが不足して、洗浄機から出した温かいままの状態で使用すると、商品の温度を上げてしまいます。

お客様を満足させるということが一番大事だということはわかっていても、仕事をこなすということを優先させてしまうことで、信頼を失ってしまうのです。

お客様にとっては“一事が万事”であり、ダメなことに出合えば、それがその店の商品のイメージになってしまうことを意識して仕事をしなくてはなりませんね。

皆さんのお店でも、くれぐれもお気をつけください。 

ではまた。