販売促進 第6回 『心に働きかけるほのぼの販促』

 キーワードが‘癒し’とも[癒しの時代]とも言われる今、サービス業の最先端にいる我々飲食店は本当の意味で顧客第一主義を貫かなければなりません。
 ハンソクも従来からの画一化されたマニュアルを感じさせられるようなものでは、お客様の心の琴線にふれることはできないのです。皆さんのお店ではどんなことでお客様との心の接点を持っておられるでしょうか。
 新潟県S町にあるHという店ではとてもそのことに重点をおいてハンソクを繰り返し行っていますが、最近の事例をご紹介しましょう。

<事例>
 夏、H店の駐車場周辺、店まわりには「ひまわり」の花が咲き乱れます。とても夏らしく、そして綺麗です。店前を通る車の中からも、ひまわりを見てニッコリ微笑む人もいますし、歩きながら眺めて頷いている人も見かけます。私が行った時は、若いおかあさんがひまわりの前で、お子さんになにやら話し掛けながら笑っていました。とても地域の人々がお店に近いなと顧問として嬉しく感じました。ところで、このひまわり、店が季節感を出すだけのために植えたのではないのです。このひまわりはお客様が植えたのです。
この時点から3~4ヶ月前、このお店では、春のお客様感謝キャンペーンが行われましたがその中でひまわりの種をプレゼントしました。花の種をお客様に差し上げるというのは昔から使われてきた販促の手段ですが、その効果がどんなものかは皆さんが良くお分かりだと思います。自宅の机の中でゴミになっているのがオチです。お客様が嫌がりはしませんが今や決して感動するものではありません。ですからHでは【あなたの専用スペース秋までの畑】もつけて、差し上げたのです。その時シャベルを使って(もちろん店で用意していました)種をまいた親子連れ、面白半分に植えた若いグループやカップルが、お店に来るたびにひまわりの成長を気に掛け、一喜一憂する姿を見るとこちらも嬉しくなります、というHの社長の話を聞きながら同じように種を差し上げることなのにこんなにもお客様の反応が違うのかと今更ながらハンソクは上手にやらないと駄目だなあと改めて思いました。最近このお店のレジで交わされた会話をチョット載せておきましょう。
スタッフ「ハイ、ありがとうございます」お客様「ごちそう様、おいしかったわ」スタッフ「ありがとうございます」お客様「最近ここ来るの増えちゃったのよ。この子がひまわりひまわりってうるさいのよね。まあ子供が喜んでいるのだからいいけど。」、案外お母さんも楽しみなのではないでしょうか。