KAZU石田の『飲食店現場の眼-小さな気づき-』  Vol.125

 

こんにちは。

3月を迎えて一気に気温が上がり、本格的な春の訪れを感じるようになりましたね。

新型コロナの流行は、オミクロンという厄介な新株が現れたことにより、多くの都道府県で3月6日まで〈まん延防止等重点措置〉が適用されていましたが、新規感染者数は減少傾向にあるものの、病床使用率の高止まりが続いているとして、政府は4日、東京、愛知、大阪など18の都道府県については21日まで延長することを正式に決定しました。

感染状況が改善しないのは、政府によるワクチン接種の遅れが他国と比べ遅れていることも原因の一つでしょう。

南アフリカやヨーロッパ諸国のマスクなしの光景や、アメリカの〈グーグル〉〈メタ〉のオフィス勤務再開(共同作業を含めオフィスでのコミュニケーションは重要との判断)の知らせを聞くとうらやましく感じます。

日本はいつ日常を取り戻せるのでしょうか。

最近、夜の街は感染者数が高止まりをしていることの影響か、新型コロナの流行が始まった頃の様子と同じように寂しくなっています。

それでも店を開け、制限時間の中で頑張っている飲食店の皆様にはエールを送ります。

今回も頑張っている飲食店を街視察しながら覗いてみました。

安心が担保されていそうな、清潔そうなファザードを眺めながら居酒屋を選んで入ってみました。

こんな時だからこそ、感染予防対策は徹底されているか、安心安全に積極的に取り組んでいるか、コロナ禍での接客はどうなっているのか等など、お客様の立場、目線でチェックしてみました。

「いらっしゃいませ」

言葉は定番として出ていますが、マスク越しでもわかるような笑顔は見られません。

検温と手指消毒を実施するよう声かけはありましたが、感染対策を徹底しているというよりは流れ作業的な印象を受けました。

案内や席への誘導に優しさが感じられません。

オーダーはタブレットで行っていましたが、その操作をすることが優先でこちらの話は上の空です。

商品説明を求めても全く把握していませんでした。

一度も私と目が合わないままパントリーに帰っていく彼女の後姿を見ながら、ため息が出ました。

マスク着用、感染対策のオペレーション、非接触型の機器の導入、キャッシュレス対応、人員不足、対症療法の業態導入(テイクアウト・デリバリー)など、コロナ禍で変化・増加した仕事はたくさんあります。

それらに慣れるための時間もシフト削減からままなりません。

ですが、だからと言って「コロナ禍だから仕方がないね」とお客様は納得してくれません。

お客様の店の選択はストレスがない居心地感で過ごしながら、付加価値を感じられるかどうかで優先順位が決められます。

感染予防対策全般に対する関心も高く、店を見る目は余計厳しくなっているのではないでしょうか。

長引くコロナ禍でストレスが増えているなか、コロナ疲れ、自粛疲れを美味しいごはんで癒されたいと来店されるお客様も多いのではないでしょうか。

マスク越しの笑顔の訓練をしましょう、新規導入機器の説明会をしましょう、ロールプレイングを定期的に行いましょう、それができる店が残っていくと思うのです。

さりげない気遣いをされたり、大勢のなかの1人ではなく、一人ひとりとして、気持ちに寄り添った接客をされると、店への印象はグッと変わります。

ホント、厳しい状況ですが、何とか耐えましょう。

お客様の笑顔を創りましょう。

ではまた。