KAZU石田の『飲食店現場の眼-小さな気づき-』 Vol.128
こんにちは。
6月になって、新型コロナの感染状況は、かなり、落ち着いてきましたね。
決して安心が確実になったわけではありませんが、人の動きは一時の恐怖感が薄れて、安心感が先に立つようになり、首都圏での人流は以前に戻りつつあるようです。
政府もマスクの着用に関して、屋外屋内の着用緩和の例を示すようになってきました。
ゼロコロナ政策で大変なことになっている中国と違い、withコロナを覚悟し、経済を考えた方向が示されたことは歓迎できることですね。
さて、先月出合った、商品知識あと回し教育、女子アルバイトの話の続きです。
〈丁寧な手間のかかる教育はやっぱり職場がやらなくてはいけないのです。
しわ寄せはお客様に影響してしまうからです〉と申し上げましたが、帰りがけに、またまたひと騒動がありました。
時間が経ち、そこそこいい気分になった私たちは彼女に会計をお願いしました。
「はい、わかりました。
レジの方にお願いします」
テーブル会計はできないようなので、私達は帰り支度をして、レジに向かいました。
レジ前で、彼女の会計処理が済むのを待ちます。
彼女は真剣に数字をレジに打ち込んでいました。
どんなお客様もレジでは少なからずの緊張をするものです。
私も、これぐらいだろうなという数字を頭に浮かべながら、支払いの数字を待ちましたが、デジタル小計が出た瞬間、「え、これ、違うでしょう」と叫んでしまいました。
なんと、予想の2倍以上だったのです。
すると、彼女は「ですよね」と一言。
(ですよね、じゃねーよ、とは紳士は言いません)。
「少々お待ちください。
前の人の分が足されてました」
(おいおい、ウソだろとは紳士は言いません)。
しばらく待たされた私は近くの席に座って待つことにしました。
前の会計の処理と私の分と内容はわかりませんが、首をひねりながら格闘する彼女を見て、長期戦になりそうだと感じたからです。
先に店を出ていたスタッフも「どうかしたんですか?」と言いながら戻ってきて、状況を理解したようで、やれやれという感じで笑みを浮かべ、私の前に座りました。
10分ほど経ったころでしょうか。
ようやくクレジットカード処理に向かう過程まで来たようです。
ようやく、支払いかと思った矢先、彼女がキャッシャーから飛び出し、「店長」と呼びながら、店の奥へ消えていきました。
店長らしき男性と彼女が帰ってきたのはその3分後、次の会計のお客様が並び始めたので慌てて私はレジ前に立ったのでした。
店長はこれまでの過程を知らないのか、私には目もくれず、レジ操作を懇切丁寧に指導しながら「お客様、暗証番号をこちらに」とほざいたのでした。
イラつきが頂点に達していた私ですが(紳士なので)「領収書ください」というのが精いっぱいです。
これもまた、懇切丁寧に彼女に指導しながら発行してくださいました。
いろいろ文句をつけたいところですが、こんな時です、OJTのいけにえにあたったのだなと理解して店を後にしました。
ですが、大いに疲れ、酔いも覚めてしまいました。
くれぐれも皆様の店では起らぬよう、教育はOff-JTも怠りませんように。
ホント、たいへんですが何とか耐えましょう。
お客様の笑顔を創りましょう。
ではまた。