KAZU石田の『飲食店現場の眼-小さな気づき-』  Vol.137

 

3月を迎えて、日毎に暖かくなってきましたね。

桜の開花も近いと思うと、なんだか気持ちも明るくなってきます。


新型コロナ感染の流行も、毎日の感染者の数があまり気にならなくなり、穏やかな日常が見えてきました。

業界もそれに連れて心なしか元気になってきた感じがします。


3月13日からはマスクの着用も個人の判断に任せられるようになるようですし、5月8日からは新型コロナも2類から5類に変更されます。


引き続き、気をつけるのは当たり前ですが、危機的な状況はひとまず終えたといっても良いでしょう。


飲食店の体制も変わっていくのでしょうが、“今”を変えるときはそこに問題が発生することも考えながら動かなくてはなりません。


ファミリーレストラン大手「ガスト」は短縮していた営業時間を順次元に戻していく体制を発表しました。

ニュースになるような大手は周知に苦労しませんが、個人店などは予告や告知をPOPやスタッフの口頭告知で丁寧に行うようにしましょう。


また、復活する販促なども、もう一度全員が理解しているかのチェックが必要です。


視察したお店でそこのところを感じてしまったので今回はそのお話。



夕方、スタッフと二人で店を探していてパネル看板の販促〈飲み放題・つまみ3品付2500円90分〉に誘われて「お、これいいじゃないか。入ろう、入ろう」とその店に入店しました。


席につき、早速そのメニューを注文。

機嫌よく飲んでいて、4杯目あたりを頼んだ時、その注文を持ってきたスタッフがこう言ったのです。


「これが最後の一杯になります」


これには二人声を揃えて「え~!そうなの、もう90分経ったあ?うそでしょう?」

酔っぱらいは話が弾むと時間を忘れるものですから、この終了宣言には「いや、あと10分はあるはずだ」などと、あさましい抵抗に出る始末です。


あげくには連れが「もう一杯だけチョウダイ」とわがままを言い出し、スタッフも根負けして笑いながらもう一杯を提供してくれました。

「悪いね、ごめんね」と我々も笑顔で納得と相成ったわけですが、お店は1杯損になったかもしれませんね。


おそらく飲み客のために再開したこの〈飲み放題の販促〉は、以前は時間間際になったら、または○○分前にはお客様に告知して最後の注文を取るということを、店の決まりにしてあったはずです。


コロナ前、ほとんどのお店で〈飲み放題〉はそのような体制で行われていたのですから、このお店でもそうしていたことでしょう。


コロナ禍、時短を強いられ、スタッフを削り、最低限の人数で営業していた店舗も多かったでしょう。

通常営業を取り戻そうと動き始めている今、様々な販売促進なども復活していますが、スタッフも新しくなる中、“抜け”が出てしまったのかもしれません。


ただ、お客様には関係ないことです。


復活・再開の内容は確実なオペレーションを確認しなくてはなりませんね。


ホント、たいへんですが頑張りましょう。

お客様の笑顔を創りましょう。


ではまた。