コラム

井上奈々子の『食の豆々知識』

2025年7月8日

Vol.251 ネクター

突然ですが。

ネクターと聞くと何を想像しますか?

この質問をするとほとんどの方が、「桃のジュース」と答えます。

そして、ネクターは桃のことだと思っている方が多いことに気づきます。

桃は、ピーチ。 その桃のジュースの名前は、「ピーチネクター」。

つまり、ネクターが桃だと桃桃となってしまうんですね~笑。

ということで今回は「ネクター」について。

● で?ネクターってどういう意味?

ネクターは「すりつぶした」という意味で、果汁をすりつぶして作られるジュースのことを指します。

もともとは、ギリシャローマ神話の「ネクタル(ネクタール)」からきているといわれ、これは「不死の生命を与える神酒」のことです。

これが甘い飲み物を示す言葉となりました。

今では、社団法人日本果汁協会が定めた基準を満たしているものしか「ネクター」とは呼べません。 果肉(すりつぶしたピューレ状のもの)が一定以上(桃は30%以上)入っているものとされています。

● なんでピーチなの?

日本で1番初めにつくられたのは、1940年、桃の缶詰製造の際に出る果肉の切れ端を使用したものだそうで、これは試作品に終わり、実際に発売されたのは、1961年。

これがピーチネクター(明治製菓)。

その後1964年、不二家と森永製菓が共同で「ネクター」を発売。

桃の果肉ピューレを45%使用し、濃厚な味わいでした。

この時には、実は森永製菓が「ピーチネクター」を商標登録されていましたが、その後、

社団法人日本果汁協会に一任したため、今ではいくつかのメーカーから同種の製品が発売されています。

● ジュース以外にもネクターってあるの?

お酒をフルーツのネクター(ピューレ)で割ったカクテルなどもあります。 果肉を多く含んだ、ふわっとフルーツの香りや果汁が楽しめるカクテルです。

また、ティーバッグでも使用されていたり、シャンパンでも使用されていたりもします。

ただこれらは、何か決まりがあるわけではなく、「やや甘口」や「フルーティな」的な意味で使用されているようです。

今回これを書くあたって調べていたら、果汁の%を知り...。

昔は45%。今は30%...。

最近のネクターを飲むと、昔はもっとどろっとしていたような...と思うのは間違いじゃなかったのですね...。

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