2025年10月7日
その256 SNS戦術を上手く使おう

「スマホ見ながら、何ブツブツ言ってるの?
また競馬のオッズでも調べてたの?」
「違うよ!
SNSで飲食店の情報を見ていたんだよ」
「えぇ、あなたがSNS?
信じられないわね。
てっきり紙のチラシ派かと思っていたわ」
「なんだ、その偏見は!
今どきはお店探しの半分以上がスマホからなんだぞ。
Googleマップで検索して、口コミを見て、インスタで写真を見て決めるっていう流れが当たり前なんだ」
「じゃあ、お店は料理を作るだけじゃなくて、SNS映えも考えなきゃいけないってことね」
「そうそう、でもね、これが“諸刃の剣”なんだ」
そんなやりとりから始まる今回のテーマは・・・
【SNS戦術を上手く使おう】
実際、顧問先のある焼肉店では、Instagramで美しい盛り付け写真を投稿したところ、若い女性客が一気に増えました。
投稿を見て「これ食べたい!」と来店するのです。
さらにその写真が来店客のSNSに拡散され、新規集客につながりました。
つまり、SNSは今や「広告費ゼロで口コミを広げる武器」と言えます。
一方で、注意すべき点もあります。
別の顧問店では、食べログに「店員の態度が悪い」と一件ネガティブな口コミが載りました。
すると、それを見た人が来店を避け、客数が目に見えて減ったのです。
SNSはプラスにもマイナスにも大きな影響を与えます。
「良い評判は1人伝われば3人に広がるが、悪い評判は10人に広がる」と言われるように、リスク管理が不可欠です。
さらにGoogleマップも重要です。
検索すればすぐに「近くのラーメン店」と表示されますが、その時に上位表示されるかどうかが勝負。
営業時間の誤記や古い写真を放置しているだけで「この店、大丈夫かな?」と不安を与えてしまいます。
だから常に最新の情報に更新し、返信コメントも丁寧に行うことが大切です。
TikTokも見逃せません。
最近は「動画で検索する」若者が増えていますね。
あるカフェでは、ラテアートを描く様子をショート動画でアップしたら、一晩で数万回再生され、翌日から学生が列を作るようになった事例もありました。
数年前には考えられなかった集客の波です。
しかし、ここでも落とし穴があります。動画の質や雰囲気が店とズレていると、来店したお客様が「思っていたのと違う」とガッカリしてしまうのです。
SNSは“期待値を作る道具”でもあるので、投稿の内容と実際の店の雰囲気を一致させる工夫が求められます。
SNS戦術を成功させるポイントは3つです。
- 1.継続すること … 投稿が数か月で止まると逆効果。最低でも週1回は続ける
- 2.誠実に対応すること … ネガティブ口コミにも丁寧に返信。誠実さは伝わる
- 3.現場とつなげること … SNS上の魅力と、実際の店舗体験を一致させる
SNSは「料理の味」そのものを伝えることはできませんが、「お客様の来店動機」を作る強力な武器になります。
うまく使えば、広告費以上の効果を発揮しますし、逆に使い方を誤れば信用を落とすリスクにもなります。
SNSはお店にとって今や避けて通れない課題です。
厨房やホールの努力を、スマホの中でどう表現するか。
これからの繁盛の分かれ道になるのは間違いありません。
ではまた。
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