コラム

KAZU石田の『飲食店現場の眼-小さな気づき-』

2026年1月15日

VOl.171 忙しさの中で、当たり前を守るということ

2026年、あけましておめでとうございます。

新しい年がまた始まりましたね。

年末の疲れが癒えないまま、今年の正月から、早速忙しい店を天手古舞で動いている方も多いことでしょう。

充分身体に気を付けてお過ごしください。

 

毎年この時期になると、私は現場の皆さんの姿を思い浮かべます。

大晦日から三が日にかけて、世の中が「休みモード」に入る中、飲食店の現場だけは逆にフル回転。

笑顔で接客をしながら、内心では「早く正月終わらないかな」と思っている方も少なくないはずです。

 

昨年を振り返ると、飲食業界は相変わらず厳しい一年でした。

原材料費の高騰、人手不足、人件費の上昇。

どれも「一時的」ではなく、もはや“常態化”した課題です。

それでも店を開け、料理を出し、お客様を迎え続けてきた皆さんは、本当に立派だと思います。

 

一方で、昨年の現場を見ていて強く感じたのは、「差がはっきりした一年」でもあったということです。

忙しさや人手不足を理由に、基本を崩してしまった店。

逆に、同じ条件下でも“当たり前のことを当たり前にやり続けた店”。

この差が、数字にも空気にも、はっきり表れてきました。

 

「挨拶」「返事」「ひと言の声掛け」「料理の仕上がりを最後に確認する目」「新人を放り出さず、ベテランがそっとフォローする姿勢」

どれも特別なことではありませんが、忙しい時ほど省かれがちです。

そして省いた分だけ、お客様は静かに離れていきます。

 

今年はぜひ、「効率」と「雑さ」を混同しない一年にしてほしいと思います。

省力化やデジタル化は必要です。

でもそれは“人が楽をするため”ではなく、“お客様に安定した価値を届けるため”の手段。

ここを取り違えると、現場は必ず歪みます。

 

年の初めは、現場の在り方を見直す絶好のタイミングです。

  • 「うちの店は、新人を一人にしていないか」
  • 「忙しい時ほど、声掛けが減っていないか」
  • 「当たり前の基準が、いつの間にか下がっていないか」

ぜひ一度、立ち止まって考えてみてください。

 

大変な時代は、まだしばらく続くでしょう。

でも、だからこそ“現場の力”が店の未来を決めます。

今年も一緒に、足元を固めながら、一歩ずつ前へ進んでいきましょう。

 

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

お客様の笑顔を創りましょう。

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