2006年11月7日
トレーニングの重要性(4)
今回は効果的なトレーニングの流れの第三段階についてお話します。
目標設定と出来映えの提示の次はいよいよ実践です。
この時点でトレーニーは出来映えとポイントのイメージができているので、それを自らクリアしたいと前向きになっています。
中には説明や観察が続いたので早く実践したいとウズウズしている人もいるかもしれません。
第三段階、「トレーニー1人で実践させる」のポイントは、
1. トレーニーの視線と行動の一部始終を必ず観察していること
基本中の基本なのですが、おろそかにしている人は少なくありません。
説明だけをして、やらせておけばいいというものではありません。
仕事の流れは、「観察」→「気づき」→「判断」→「行動」ですので、トレーニーの視線の先とその後の行動をよく観察し、ポイント、優先順位の組み立て、行動の正確さやスピードなど、どこに問題があるのか、またはどこが優れているのかなどを把握する必要があります。それによってどのように修正すべきかが見えてくるのです。また、トレーニーはこの時点ではまだまだ不安も多いものなので、トレーナーが見てくれているという安心感を与える効果もあります。
2. 否定はしないこと、積極的な行動やできていることを重視して褒めること
不安が多いなかで頑張っているトレーニーに対して、できていないことを厳しく指摘されたり、叱られたりするといっそう不安感が増えたり、士気が下がることが多いものです。積極性やできている部分を褒めるようにし、安心感や士気の維持を図りながら進めます。
3. トレーニーの理解度、達成度に合わせて出来映えの説明や出来映えの提示を繰り返すこと
実践をしている中でトレーニーが混乱したり、または勘違いしていると判断した際には、実践を中断して責任範囲や出来映えについての説明や、出来映えの再提示を行なう必要があります。頭の中のイメージと実際の体の動きや行動が伴わない状態を元通りに戻すのです。この際も、トレーニーの視線とその後の行動を正確に把握し、どこがどうずれているのかを整理したうえで、ずれている箇所を説明し、手本を改めて見せて理解させていきます。そのうえで再チャレンジさせます。
自分自身で行なうまでは誰しも不安は拭えないものです。
トレーニーの判断や行動をきちんと把握し、できている部分は認めたり褒めたりし、できていないところは具体的な改善策を教えながら、必ずできると励ましていくことがこの段階での最大のポイントです。
次回はトレーニングの流れの最終段階についてお話します。
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