コラム

石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】

2025年5月14日

その251 店における異物混入の対策は万全に

「キッチンの掃除、オレも手伝おうか。」

「結構です、手を出さなくていいわよ。」

「なんでよ、オレもキッチン経験はあるんだぞ。」

「前もそう言うから頼んだら、結局、全部やり直ししたのを忘れたの?」

「キミが神経質過ぎるんだよ。」

「あなたがいい加減なのよ、仕事が増えるわ」

「一生やらない!」

「きちんとやりますとは言わないのね、ホントに・・・」

家族の健康を守るために、食を担当する奥神様の気の使い様はどこの家庭でも同じだと思います。

私たち飲食店でもお客様の健康を守りながら、良い商品を提供することは重要課題ですね。

過ぎるほど気を使わなければいけません。

適当ではいけないのです。

【店における異物混入の対策は万全に】

牛丼チェーン大手の「すき家」が直面した一連の事件は、その象徴的な例と言えるでしょう。

すき家は、全国に展開する約2000店舗を一時的に閉店することを発表しました。

この決定は、商品の中にネズミや虫が混入していたことが発覚したためです。

2025年1月、鳥取県の店舗で提供されたみそ汁にネズミが混入していたことが報告され、さらに3月28日には東京郊外の店舗で虫が混入しているのが見つかりました。

これらの事例は、飲食業界における衛生管理の重要性を再認識させるものであり、お客様の信頼を大きく損なう結果となりました。

飲食店において、異物混入は避けることのできないリスクの一つです。

お客様が楽しみにしていた料理に異物が混入してしまった場合、その影響は計り知れません。

ここでは、異物混入が発生した際の一連の流れと、適切な対応策について記述します。

〇異物混入の発生

お客様が注文した料理がテーブルに運ばれ、食事が始まります。

しかし、数口食べたところで、異物が混入していることに気づくお客様。髪の毛やプラスチック片、あるいは調理器具の破片など、異物の種類はさまざまです。

異物混入は、厨房の衛生管理が不十分であったり、従業員の不注意から発生することが多いです。

〇クレームの発生

異物を発見したお客様は、不快感を抱きながら、店員を呼びます。

店員は、まずお客様の話を丁寧に聞き、謝罪することが求められます。

お客様の信頼を回復するためには、迅速かつ誠実な対応が不可欠です。

お客様が不快な思いをしたことに対して、心から謝罪します。

〇初期対応と調査

クレームを受けた後、店員は異物が混入した料理を迅速に下げ、厨房に戻ります。

ここで重要なのは、異物の種類や混入経路を特定するための調査を行うことです。

厨房内の衛生状態や、使用している器具の点検を行い、異物がどのように混入したのかを徹底的に調査します。

〇お客様への対応

調査の結果、異物の混入原因が特定できたら、次にお客様への対応を考えます。

お客様には、異物の種類や混入経路について説明し、今後の再発防止策を伝えることが重要です。

また、料理の交換を提案します。

さらに、お客様が求める解決策に応じて、柔軟に対応することが信頼回復につながります。

〇再発防止策の実施

異物混入のクレームが解決した後は、再発防止策を講じることが必要です。

従業員への衛生教育を強化し、調理器具や設備の定期点検を行うことで、異物混入のリスクを低減します。

また、厨房内の清掃を徹底し、作業環境を整えることも重要です。

〇信頼の回復

解決された後、お客様との信頼関係を再構築するために退店まで誠実に接客しましょう。

クレーム対応の際に誠実な姿勢を示したことが、お客様の心に残ることが多いからです。

SNSの時代において、良い対応が広がることで、逆に店舗の評判を高めるチャンスにもなります。

異物混入の問題は、単なるトラブルではなく、店舗の成長の機会と捉えることも重要ですね。

では、また。

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