2025年7月8日
その253 ストーリー性のあるメニューで顧客を魅了しよう

「備蓄米に1000人も並んでいるんだって、皆さん頑張るわねぇ。」
「並ぶと美味しくなるんだよ。」
「はあ?どういうこと?」
「苦労して手に入れたり、買えてラッキーって思うと、まずかったら大損だから、心が美味しく感じるように偏るのさ。
食べた人がそれをまた“なかなか美味しかったよ”なんていうから、聞いた人がまた並ぶ、大衆は単純なものよ。
レジャーだな。」
「皆さん節約の努力しているのよ。
エライわ、あなたも、並んでみたら。」
「オレ、コメの水を飲んでるから大丈夫、へへへ。」
「酒やめろ!」
「・・・。」
古古米や古古古米に前の日から並んで買っている人の姿がニュースで流れていましたが、政治家のパフォーマンスとともに、なぜそこで売られているのか、その米が品質的にどうなのかなど、連日、SNSやニュースメディアによる報道されていたのですから、安さだけでなく、その話題性が消費者心理に強く響き、行列を生んだと考えられますね。
でも、これは商品を提供する私たちも参考になることではないでしょうか。
【ストーリー性のあるメニューで顧客を魅了しよう】
飲食店のメニューに「ストーリー性」を持たせること、そしてそれを発信することは重要です。
食材の産地や料理の背景を盛り込むことで、顧客により深い体験を提供できるのです。
まず、ストーリー性のあるメニューがどのように顧客の心をつかむのか、具体的な事例を見てみましょう。
顧問店の繁盛レストランで、そこの社長にこんな風に言われたことがあります。
「このトマトは親戚の農園からいただいたものです。
義兄さんが持ってきてくれるんで助かってます。」
私はすかさずこう申し上げました。
「社長、原価が助かるって、喜んでいるだけではだめよ。
“愛情を込めて育てた○○農家のトマトを使っています”ってサラダメニューにはコメント入れて、義兄さんの写真も添えて、アピールしましょう。」
地元の農家から直接仕入れた新鮮な野菜を使ったメニューを提供していることは他店に対してアドバンテージになるのです。
これにより、顧客はただの食材ではなく、農家の努力や情熱を感じることができ、料理に対する愛着が増すわけです。
他にも、別のレストランでは、シェフが自らの旅で出会った料理を再現したメニューを展開しています。
「このパスタは、イタリアの小さな村で出会った家庭の味を再現したものです。
シェフが現地で学んだレシピを基に、地元の食材を使って作っています」といったストーリーを添えることで、顧客はその料理に特別な意味を見出し、食事を通じてシェフの旅を想像することができるというわけですね。
不思議なもので、たくさんの経営者と話していると「えぇ、そんなことお客さんに言うほどじゃないですよ」と、アピールできるネタを持っているのに、大したことじゃないと思っているのはホントびっくりします。
食材の選定をするときに、地元の食材や特産品を積極的に取り入れているのであれば、その背景を紹介することで、お客様に地域への愛着を感じてもらうことができたり、料理の由来やそのこだわりをメニューに記載することで、お客さまに感心を持ってもらうのはとても効果的なんです。
SNSやホームページでもそのストーリーを発信することで、より多くの人に興味をもってもらうこともできます。
ストーリー性のあるメニューは、お客様に深い体験を提供し、リピート率を向上させる大きな要因となります。
食材の選び方や調理法にストーリーを持たせることで、顧客の興味を引きつけ、愛着を持ってもらえるのです。
ぜひ、これらの考え方を参考にして、お店のメニューにストーリーを加えてみてください。
お客様が、料理を通じてちょっとした特別感を体験をすることで、また訪れたいと思ってもらえるお店を目指しましょう!
では、また。
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