コラム

石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】

2025年8月12日

その254 人間関係の管理が繁盛の鍵

「ねぇ、あなた、この事件のお店、あなたがよく行く店じゃない?」

「えっ、うわっ!

そうだ、そうだよ、うそだろ!」

奥神様が教えてくれたニュースは、私が顧問店の社長や会社の社員とよく行く寿司店で、従業員が同僚の社員を殺してしまった殺人事件でした。

その後の犯人逮捕の報でさらに驚きました。

犯人はいつも私たちを接客してくれていた人だったからです。

「まさか、あの人が…って思うこと、あるんだなぁ。

何があったんだろう。

接客も丁寧だったし、まじめに仕事していたのになぁ。

人は見かけによらないって言うけど、職場の空気が悪いと心も荒れるのかもなぁ」

人間関係のほころびが、店の信用を揺るがす重大な事案になることがありますが、この事件は、その最もあってはならないことの一つでしょう。

だからこそ、今回の件は驚きとともに、飲食店における「人間関係の管理」の難しさを痛感するニュースでした。

【人間関係の管理が繁盛の鍵】

飲食店における人間関係の管理は、単なる業務効率の向上だけでなく、店全体の雰囲気や信用にも直結しますね。

例えば、スタッフ間の信頼が深まることで、チームワークが向上し、サービスの質が安定します。

また、従業員が安心して働ける環境を整えることで、離職率の低下にもつながります。

さらに、スタッフ同士のコミュニケーションを促進するための工夫も重要です。

例えば、定期的なミーティングや意見交換の場を設けることで、問題点を早期に解決しやすくなります。

また、スタッフの意見を積極的に取り入れることで、働きがいを感じてもらえる環境を作ることができます。

従業員が「ここで働きたい」と思える環境を整えることで、結果的に店舗の成長につながるのです。

我々飲食店では、ホールとキッチン、社員とアルバイトなど、立場の違いが摩擦を生むことがあります。

忙しさの中で言葉が荒くなり、感情的なやりとりが増えると、スタッフの心がすり減っていく。

そんな空気は、客席にも伝わるものです、気をつけなければいけません。

ある顧問店では、朝礼で「今日の一皿に誇りを持とう」とスタッフ全員が声を揃えて唱和しています。

理念を共有することで、スタッフ同士の距離が縮まり、自然と助け合いが生まれるのです。

理念は、ただの言葉ではなく、日々の行動に落とし込むことが大切です。

また、別の店舗では、賄いを必ず誰かと一緒に食べるルールがあります。

忙しい中でも、食事を通じて会話が生まれ、スタッフ同士の理解が深まるということらしいのです。

賄いは、単なる食事ではなく、コミュニケーションの場でもあるのですね。

さらにリーダーは全体の空気を整えることを大切にしなければなりません。

店長やマネージャーは、業務の指示だけでなく、スタッフの表情や声のトーンにも気を配るべきです。

ある店では、店長が「今日は元気ないね、何かあった?」と声をかけることで、スタッフが安心して話せる雰囲気を作っています。

小さな気づきが、大きな信頼につながるのです。

今回の事件は、飲食店にとって「人間関係の管理」がいかに重要かを教えてくれました。

料理の味やサービスの質だけでなく、スタッフの心の状態が、店の繁盛には大切でもあるのです。

我々は商品だけでなく、空気感にも気を配らなければならないのですね。

では、また。

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