2024年5月7日
Vol.151 店員の気遣いで心温まる、天ぷら粉の購入体験
こんにちは、5月を迎えました。
さわやかな時期のはずが、一気に気温が上がり、初夏を超えるようなおかしな日が連日続いていますね。
もう日本の四季はなくなっていくのではないかと感じるのは私だけでしょうか。
ホント調子が狂いますね。
皆さん、体調にはくれぐれもご注意ください。
飲食業界もなんだか変な感じになってきていますね。
何が変かというと、都心にいると、行列がある店を時々見かけますが、外人ばかりで賑わっているのが顕著に感じられるからです。
いわゆるインバウンドの勢いで繁盛している店とインバウンドとは無縁の店とは、ずいぶんな差を感じられます。
それは、都市部・観光地と地方のインバウンドとは無縁の飲食店の比較でも感じます。
全国の飲食店の売上数字はコロナ前2019年度と比較して112%なんて数字が出ていて、マスコミは、飲食店はお客様が戻って、好調な状態が見えているなんて騒いでいますが、“何を言ってるんだ”という感じですね。
さて、今回は飲食店ではありませんが、ちょっと“いい気分”になったお話です。
「山菜を手に入れたので送りますね」と、顧問先の社長から、テストキッチンに山盛りの山菜が送られてきました。
ホントありがたいことです。
「タラの芽」「フキノトウ」「こごみ」などなど、地方の方は「そこらへんに落ちているようなもの」なんて言う方もいるかもしれませんが、我々にとっては珍しく御馳走です。
せっかくなので、早速、天ぷらにしていただこうと、帰り道タイミングが良い私がてんぷら粉を買って帰ることになり、コンビニに寄りました。
よかった、あるじゃないか、それもラスト一個なんてラッキーと、それを持ってレジに並び、それを店員さんの前に置きました。
キャッシュレスで払おうとスマホを開き、アプリを操作していると、店員の若い女性が「少々お待ちくださいね」と言って、てんぷら粉を持ちながら、レジからいなくなってしまいました。
〔おいおい、値段がわからないのか、後ろにも人が待っているのに、しっかりしてくれよ〕とチョッとイラッとしながら待っていたのですが、自分を恥じることになりました。
戻ってきた彼女は、こう言ったのです。
「お待たせしました。
先ほどのてんぷら粉は見ると賞味期限が近くなっていました。
そんなにたくさん使うものじゃないですから、倉庫から新しいものを持ってきました。」
私は感激して「あぁ、そうなのね。ありがとう」とイラついた自分が恥ずかしく、ドギマギしてスマホの操作がままならない状態になったのですが、それも「あ、ここを押して、こうやって」と優しく教えてくれたのでした。
「良かった。お嬢さん、ありがとうね」というのが精いっぱいで、もっと気の利いた誉め言葉のいくつかを言うべきだったと帰り道に、気分のいい後悔をしながらテストキッチンに戻ったのでした。
彼女が何も言わなければ、売れて在庫がはけて、ロスにもならず、店の効率としてはいいのかもしれません。
やり取りを聞いていた店長らしき男性の眼はどうもそう言っているようでした。
《店長さん、これが商売なのよ!
僕は遠くてもこの店にまた来ますよ!》
あのお嬢さん、店長に叱られませんようにと、願うばかりです。
ホント、大変ですが頑張りましょう。
お客様の笑顔を創りましょう。
では、また。
石田義昭『飲食店繁盛ダネ!』
“繁盛仕掛け人”石田義昭が飲食店開店の秘訣から売上増進の策および、日本各地の販売促進事例をわかりやすく解説、紹介します。
井上奈々子の『食の豆々知識』
飲食店における重要なメニューの考え方、作成方法、そして商品開発の極意など、繁盛につながるヒントを余すところなく紹介します。
KAZU石田の『飲食店現場の眼-小さな気づき-』
実践コンサルタントが各地を回りまさに“事件は現場で起きている”を心に目を光らせ、見つけた問題点を鋭く指摘、改善を容赦なく進言、普段の行動の様子を紹介します。
飲食店経営のあらゆる
お悩み、相談、ご質問をお受けします