コラム

KAZU石田の『飲食店現場の眼-小さな気づき-』

2025年5月14日

Vol.163 値上げと無表情接客

こんにちは。ようやく5月に入り、春らしくなって、気持ちの良い日々を感じるようになりましたね。

地方に出かける時の電車の窓からは、木々の緑が色濃くなってくる気持ちの良い季節となりましたね。

なんだか気分も明るくなります。

ずっとこの天候が続けばいいと思ってしまうのは、私だけでしょうか。

まあ、四季があるのが日本の良さですから、今を満喫しときましょう。

皆さんもたまには散歩に出て、気持ちをリフレッシュなさってください。

さて今回もいつも通り、仕事終わり、レストランチェーン店に二人で入店した時のお話です。

「何名様ですか?」

「ご案内します」

お決まりのセリフに促されてテーブルに着き、メニューを開きました。

タブレット注文ですが、一応、グランドメニューは開いてみるのが私の習慣です。

やはり、2か月ぶりのメニュー価格は値上げされていました。

「仕方ないよね、食材は上がり続けているものね」

「数十円単位で上がっていますね」

こんな会話をしながら、タブレットで数品を注文し、仕事の話をしながら待っていると「お待たせしました、○○です」と料理が運ばれてきました。

持ってきた彼は、全く無表情で、声もどんよりして覇気もありません。

お決まりの言葉が言えているのだからよいのですが、なんだか気持ちが悪いのです。

「ロボットのほうがまだいいな」と思いながら、接客をみていると、「研修中」の名札が目に入ってきました。

研修中ですから、新人でしょう。

ただ、年齢は40代に見える大人です。

接客業には明らかに向かないタイプですが、採用が大変な人手不足の今、仕方ないのかもしれませんが、最低限のお愛想は教えてほしいなと思うのは贅沢でしょうか。

困った時代になったものです。

さらに、提供された商品を見て考えさせられました。

明らかに量が減っているのです。

追加で頼んだ肉も明らかに薄くなっていました。

数十円値上げされている上に、ステルス値上げも行われているわけです。

「飲食店の中には、まだまだ元気がある店はあるのに、対症療法だけ追いかけると、こんな風に弊害が営業に現れるんだね」などと話していると、先ほどの彼がロボットより抑揚のない声で「お下げしてよろしいですか」と空いた皿をバッシングしに来ました。

彼を見ることなく、「はい」と返事して、話を続けていましたが、空いたビールグラスに気づいてビールを継ごうとして、驚きました。

ビールがないのです。

「あれ、ビールがない」

「え、まだ残っていましたよね」

なんと、半分以上残っていたはずのビールが下げられていたのです。

近くにいた彼を呼んで、「ビール、まだ残っていたと思うんだけど、下げられてしまったようだけど」と告げると彼は、「はい」とそう言って戻ったかと思うと、「はい、どうぞ」と

その二言で先ほどのビールを持ってきたのでした。

半分以上残っている物を下げても、一言の謝罪もありません。

突発的なことに関しての言葉は教わってないのね。やれやれの顛末です。

ホント、大変ですが頑張りましょう。

お客様の笑顔を創りましょう。

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