コラム

KAZU石田の『飲食店現場の眼-小さな気づき-』

2026年6月17日

Vol.176 ドトールとスタバに学ぶ、「選ばれ続ける店」の作り方

6月になりました。

今年は梅雨入りが遅いようですが、すでに夏を思わせる暑い日も増えてきました。

飲食店にとっては、これから食中毒対策や暑さ対策など、気を遣う季節の始まりですね。

どうか、体調管理には十分気をつけていただきたいと思います。


さて今回は、いつものスタッフとの打ち合わせで感じたことを書いてみたいと思います。


その日は打ち合わせ場所として、ドトールコーヒーを利用しました。

店内に入ると、平日の昼間にもかかわらず多くのお客様で賑わっています。


「すごいなぁ」と素直に思いました。

よく見渡してみると、比較的年配のお客様が多い印象です。

アイスコーヒーが340円という手頃な価格。

さらに喫煙者にはありがたいスモーキングルームも完備されています。

パソコン用の電源もあり、ビジネスマンにとっても使い勝手が良いのでしょう。


つい先日、珈琲館やカフェ・ベローチェ、カフェ・ド・クリエなどを巡るM&Aのニュースも話題になりました。

コーヒー業界も大きな再編の時代に入っていますが、ドトールは元々コーヒー豆を扱う企業だけに、他にはない強みを持っているのかもしれません。


ただ、感心したのはそこではありません。

オーダーした人には利用時間90分のお願いシートが商品とともに配布がされていました。


確かに340円のコーヒー一杯で何時間も居座られたら商売として成立しません。

安さだけで集客するのではなく、回転率とのバランスをしっかり考えているのです。


「安いから儲からない」のではなく、「安くても利益が出る仕組み」を作っている。


なるほど、さすがだなと思いました。その後、スターバックスにも立ち寄りました。


こちらも店内は満席に近い状態です。

客層はドトールとは対照的で若い方が中心。

そして驚いたのが季節限定商品の売れ方でした。

価格は680円ほど。


ドトールのアイスコーヒーのほぼ2倍です。

ところがレジを見ていると、その商品が次から次へと注文されているのです。

私も試しに頼んでみました。


飲んでみて思ったのは、「これは原価率が高そうには見えないな」ということでした。


もちろん商品開発や販促費はかかっています。

しかし、お客様は原価で買うわけではありません。

ワクワク感や季節感、話題性にお金を払っているのです。


つまりスターバックスはコーヒーを売っているのではなく、「体験」を売っているのでしょう。


ドトールは手軽さと利便性を売る。

スターバックスは付加価値と体験を売る。


やり方は違いますが、どちらも自分たちの強みを明確にし、それを徹底的に磨いています。

だからこそ長年にわたって繁盛し続けているのでしょう。


私たち飲食店も学ぶべきことはたくさんあります。

安売りだけでは未来はありません。


かといって高級路線だけが正解でもありません。

大切なのは、「なぜお客様がこの店を選ぶのか」を明確にすることです。


便利だから来るのか。美味しいから来るのか。

楽しいから来るのか。

居心地が良いから来るのか。その理由を磨き続けた店だけが選ばれ続けます。


物価高、人件費高騰、人手不足。

厳しい話題ばかりの業界ですが、繁盛している店は確実に存在しています。


ドトールもスターバックスも、決して偶然繁盛しているわけではありません。


皆様の店にも必ず強みがあります。

ぜひその強みをもう一度見つめ直し、磨き続けてください。

これから迎える暑い夏を乗り切るためにも、繁盛店から学びながら、一緒に前へ進んでいきましょう。


ホント大変ですが、お客様の笑顔を頑張って創りましょう。

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