2025年6月11日
Vol.250 葉しょうが

新生姜が出回る季節となり、SNSやスーパーなどで、甘酢漬け(ガリ)や紅生姜漬けなどの手仕事レシピがよく目につくようになりました。
今くらいの時期から夏にかけて、実家ではよく「谷中しょうが」の醤油漬けがテーブルの上においてありました。
普通にみんな食べているものだと思いながら育ってきましたが、今、「谷中しょうが」といってもなかなか通じることがなく...笑
ということで、今回は「谷中しょうが」の話。
● まずは葉生姜について
谷中しょうがは「葉生姜」の一種です。
生姜には、「根生姜」と「葉生姜」があり、通常目にする生姜は「根生姜」。 その中でも、通年流通されているのは、「ひね生姜」で、固く繊維質で辛みも強いものです。
今この時期に出回り始めるのが、「新生姜」。 ひね生姜の上に新しくできた根生姜の部分で、やわらかく、辛みも少なめで、葉が伸びるところがピンク色をしています。 これを甘酢に漬けるとうすいピンクに染まる訳です。
その根の茎の部分を軟化栽培し、「新生姜」の部分がまだ小さいときに葉をつけたまま出荷されたものが「葉生姜」です。
つまり、新生姜の更に子供ですね。なので、新生姜よりもさらにやわらかく、辛みも少ないので、味噌につけてなど、そのままでも食べられます。
● 谷中しょうがの仲間
「葉生姜」の中には、根茎がもっと細い「矢生姜」があります。 「金時生姜」とも呼ばれています。 甘酢に漬けて、あしらえの「はじかみ」として目にするものですね。
ちなみに、どこまで食べるの?とよく聞かれますが、白い部分のみを食べます。 なので、はじを噛むから「はじかみ」かと思っていたら、実は昔は「歯で噛んで辛い物」を「はじかみ」と呼んでいたらしく、山椒などもはじかみと呼ばれていたらしいです...。
で。 その矢生姜よりも少し太いものが「谷中しょうが」、更に太いものを「つばめしょうが」と呼びます。 が。 「谷中しょうが」の名前が1番知られているため、葉生姜全般を谷中しょうがと呼ばれたりもしています。
この「谷中」は、東京の谷中(日暮里)で栽培されていたことからそう呼ばれるようになったそうですが、今の谷中では栽培しているところは全く見かけません...笑
この谷中しょうが、うちではお醤油とお酒に漬けるのが定番でした。 漬けたものがグラスに入って、この時期いつでも机の上に置かれていて、おやつ替わりにもつまんでいました。
大人になるとこの谷中しょうがは、味噌に漬けて生で食べたり、甘酢に漬けて食べたりすることが主流らしいことに気づき、醤油と酒に漬けて食べるというと驚かれることに、私もびっくりでした笑
ちなみに、うちの実家は谷中です。
テーブルの上には、いつでも谷中しょうがが置いてある季節になってきました。
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