コラム

井上奈々子の『食の豆々知識』

2025年9月10日

Vol.253 フリーズドライ

フリーズドライで魚のポワレ?

先日TVを見ていたら、魚のポワレのフリーズドライが紹介されていました (まだ発売はされていません)。

卵とじはなんとなくわかるものの、今や揚げ物までフリーズドライ。

フリーズドライと言えば、カップ麺に入っている野菜や、お味噌汁くらいのイメージでしたが、おかずまであることにぴっくり。

ということで、今回は「フリーズドライ商品」の話。

● フリーズドライってどうやってつくるの?

フリーズドライとは、「食品をマイナス30℃で急速に冷結し、更に減圧して真空状態で水分を昇華させて乾燥させたもの」だそうです。 家ではできませんね...。

特別な機械で水分を蒸発ではなく昇華させるそうで、普通に乾燥させたものと違い、水やお湯を入れることで、食材の色や香り、風味や食感も近い状態に復元することが特徴。

そして、驚くことに栄養価も損なわれにくいといわれています。

● いつから食べられているの?

1950年代に軍用の携行食として本格的に研究が開始され、日本では、1970年さけ茶漬け、1971年カップヌードルの具として用いられたことが始まりのようです。

そういえば、朝ドラ「まんぷく」で、カップヌードルを開発する際、卵やえびをフリーズドライにしてきれいな色の具をのせていて、この頃からもうフリーズドライってあったんだなぁと思いながら見ていたのを思い出しました笑。

● フリーズドライにできないものってあるの?

アルコール度の高いもの、脂肪分・油分の高いもの、そして糖度・塩分の高いものはうまくいかないようです。

前に、薬膳の食材の「クコの実」をフリーズドライにできないか、という話がでたことがあり、なぜかうまくいかなかったのですが、糖度?油分?が高かったのかな?と。

でも、フルーツがすべてできない、とわけでもなく、いちごのフリーズドライなどは商品化されていますし。 まだよくわからないことも多いようです。 以前フリーズドライのお味噌汁のなすの復元性に驚いたことがありましたが、最近では大根おろしやとろろなどの復元性にも驚いています。

もちろん、生のおろしたてのものとは違いますが、ちょっと使用したい、などの時にはこれで十分じゃないかと。

食の加工の進化は本当にすごいです。

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