コラム

石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】

2026年6月11日

その263 繁盛店を目指したあとは、ファストパス導入も考えよう

「最近、旨い店で外食してないなあ。」

「そうね、だけど最近できた評判の○○○スーパーが美味しいじゃない。

下手な飲食店よりよっぽどいいわ。

それに、いいと思うお店は予約が取れないし、並ぶとすごい時間がかかるしね。」

「そうだなあ、並ぶのは疲れるしなあ。」


「あなたが顔パスで入れるような実力者に出世していたらねえ!」

「・・・。」


――と、奥神様にまた現実を突きつけられたのであります。


確かに最近、「美味しい」と評判の店は二極化しています。

 



【繁盛店を目指したあとは、ファストパス導入も考えよう】


すぐ入れて普通の店か、予約困難で大行列の店か。


そして困ったことに、後者の店ほど「時間コスト」が大きくなっているのです。

私も先日、ある店の前を通ったら、炎天下で30人以上が並んでいました。


若い人たちはスマホを見ながら待っていますが、年配の方はかなりつらそう。

待つこと自体がストレスになれば、満足度は下がってしまいます。


一方で、最近はスーパーや中食のレベルが本当に上がっています。

惣菜も弁当も驚くほど進化し、「これなら外食しなくてもいいか」と思わせる商品が増えました。


つまり、これからの飲食店は、「料理が美味しいだけ」では足りない時代なのです。


では、繁盛店はどうするべきか。


その一つの答えとして、最近注目されているのが【ファストパス】の導入です。

【ファストパス】は、簡単に言えば、「待ち時間をお金で短縮できる仕組み」です。


最近では、飲食店向けのファストパスサービスを提供する業者も増えてきました。

例えば、一定料金を支払うことで優先入店できる仕組みや、事前決済による時間指定システムなどです。


導入した人気ラーメン店のニュースも見ましたが、「並ばなくていいなら多少払ってもいい」というお客様は意外と多いようです。

今は、“時間”が最も貴重な時代。

お金以上に「時間を無駄にしたくない」という価値観が強くなっています。

もちろん、勘違いしてはいけないのは、ファストパスは“魔法の仕組み”ではないということ。

そもそも並ばない店に導入しても意味はありません。


まず必要なのは、「並んでも食べたい」と思っていただける店づくりです。

料理の魅力、接客、空気感、SNSでの話題性。お客様の記憶に残る体験があるから、人は並ぶのです。


ある顧問先では、「待ち時間」を逆に楽しませる工夫をしています。

並んでいるお客様に小さな試食を出したり、調理風景が見えるようにしたり、スタッフが声掛けをする。


すると、不思議とクレームが減るのです。つまり、待ち時間も“商品”なのですね。

さらに、ファストパスを導入する場合も、注意点があります。

通常のお客様との不公平感が強すぎると、逆に不満を生む可能性もあります。

ですから、「時間帯限定」「数量限定」「特別メニュー付き」など、“納得感”のある設計が大切です。

これからの飲食店は、「美味しい料理を提供する」だけではなく、「時間体験をどう設計するか」まで考えなければならない時代です。

スーパーや中食が進化し、便利さが増す中で、外食に求められる価値はますます高くなっています。


だからこそ、お客様の記憶に残る店づくりを磨き続けること。


そして繁盛した時には、“待たせ方”まで戦略として考えること。


これからは「並ぶ価値」と「待たせない価値」の両方を考える時代なのかもしれませんね。


ではまた。

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