2026年10月19日
その268 飲食店の食材仕入れは「安さ」だけで選ぶな!安心・安全の見える化が信用と差別化を生む

「〇〇スーパーはちょっと他より高いのよねぇ」
「じゃあ、他に行けばいいじゃない」
「でもね、あそこは全部国産なのよ。
他はどこで採れたかわからなかったりするのよ」
「同じだろう。
にんじんはにんじん、大根は大根だ」
「安けりゃいいってもんじゃないのよ、健康を考えないと」
「そういえば、昨日ニュースで、中国で野菜に変な薬を使っているって報道していたな」
「稼ぎが減ったら中国産にするわよ、あなただけ」
「おい…」という、いつもの我が家の会話であります。
しかし、奥神様の言うことも、冗談では済まされない話です。
飲食店の現場では、どう取り組むべきでしょうか。
【信頼は安心感から、信用は安全な取り組みの可視化です】
食材価格が高騰する中、飲食店では仕入れコストを抑えるため、輸入食材を活用するケースもあります。
先月は中国産野菜をめぐる安全性についての報道もあり、外食チェーンなどに対する取材では、使用状況や安全確認について、企業によって情報開示の姿勢に違いがあることも話題になりました。
実際、外食企業の中には、仕入れ食材の検査結果や栽培履歴などを公開しているところもあります。
もちろん、ここで「国産だから安心、中国産だから危険」と単純に決めつけてはいけません。
日本では、食品中の残留農薬について基準が設けられ、輸入食品についても検疫所などで検査が行われています。
だからこそ、飲食店が考えるべきなのは、「どこの国の食材を使っているか」だけではなく、「その食材が安全であることを、店としてどのように確認しているか」ではないでしょうか。
「美味しい」がすべてではありません。
飲食店の根本にあるのは、昔から言われる「安心・安全」です。
そして今の時代は、そこにもう一つ大切なものがあります。
「見えること」です。
例えば、「この野菜は○○県産です」
「この食材は仕入れ時に品質確認をしています」
「衛生管理をこのように徹底しています」
「アレルギーについて、このように対応しています」
こうしたことを、お客様に分かる形で伝える。
もちろん、何でもかんでも細かく説明すればいいということではありません。
しかし、聞かれた時にスタッフが答えられる、店として明確な基準を持っている、必要な情報をきちんと開示できる。
この姿勢そのものが、お客様にとっての安心感になります。
そして、安心感が積み重なることで「この店なら大丈夫」という信用になっていくのです。
信頼は安心感から生まれ、信用は安全な取り組みの積み重ねから生まれる。
私は、これからの飲食店経営では、この部分がますます重要になると思っています。
物価高だからといって、ただ安い食材を探すだけではいけません。
「安く仕入れる」の前に、「お客様に安心して食べていただける食材なのか」
そして、「そのことを私たちは説明できるのか」
ここまで考えて仕入れをすることが、経営者の仕事ではないでしょうか。
食材原価を下げることはもちろん大切です。
しかし、数円、数十円の原価を下げたことで、お客様からの信用まで下げてしまったら、それは本当の意味でのコストダウンとは言えません。
反対に、少し高くても安心できる食材を選び、それを料理の価値として伝えられれば、それは単なる「高い食材」ではなく、お客様が安心して食事を楽しむための価値になります。
料理の美味しさは、舌だけで決まるものではありません。
「この店なら安心して食べられる」
「この店はちゃんとしている」
「ここなら家族を連れてきても大丈夫」
そんな気持ちも含めて、料理の美味しさを感じるのだと思います。
飲食店の皆さん、今一度、自店の「安心・安全」を見直してみませんか。
安さを競うだけではなく、安心を見える化する。
それがこれからの繁盛店づくりにおける、大切な差別化になるのではないでしょうか。
では、また。
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